深夜のコンビ二帰りの話。

女の幽霊がアパートの柵につかまり、
まだ電気のついている1階の部屋を、
カーテンの隙間から必死にのぞこうとしていた。

青白くやせ細り、
腰までたらした長い髪、
提灯袖で後ろリボンの白いワンピース。

お岩さん状態の顔は薄笑いしていて、
一目で頭がイカれてるのが分かった。

あまりにも典型的な昭和幽霊なので、
いまどき珍しいなとながめていて、
気がついた。

透けていない。

質感がある。

幽霊ではなく、生きている人間!

ダッシュして逃げた。

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