もう、20年ぐらい前の話なんですが、当時住んでいたところで
立て続けに死人が出るということがありました。

もちろん、死因は別々だし、死人が立て続けに出ることなんて
あまり珍しいことではありません。

まぁ、年寄りばかりでなく年代も別々だったんですけど。

で、当時ちょっといっっちゃってた姉が、

「この街には死神がいる」

とか言い出したんですよ。

もともとアレだったし、私もそういうことは信用しない性質なんで
あまり気にしてなかったんです。

しかし、しばらくすると予言めいたことをするようになったんですよね。

「次は○○の××が死ぬね」

とか。

…はい、そうです。

その人死にました。

病気とか危ないとかいうなら
予測も立つんですけど、
別になんてことない元気な人でした。

死因を言わないし、疑わしいっちゃ疑わしいんだけど、死んだのは事実。

んで、怖くなったので姉を問い詰めることにしたんですよ。

いっちゃってる人間からまともな話が
聞けるかどうかってのもあったんだけど、
とりあえずね。

したら、

「死神がくるんだよ。寝てる時にね」

とか言うの。

死んだ人たちは、

「彼らは死神についていったんだ」

って。

死神は一人じゃなくて、団体なんだって。

ジェントルメンらしいよ。

でも、ちゃんとした死神じゃないらしくて、
ついていった人たちは永遠に「死ねない」ことになってしまうらしい。

死神の言うことがすばらしいので、ついていってしまうらしい。

んで、街から街へと渡り歩くんだそうだ。

そうやって仲間を増やすって。

しばらくして死神はいなくなったらしく、死人も減ったんだけど、
今姉にその時の話をしても(゚Д゚)ハァ?って言われるだけ。

まぁ、姉の症状と死人の多さはあまり関係ないと思うけど、
当時厨房だった私には((((;゚Д゚)))ガクブルでした。



【補足】

なんで姉が死ぬ人を知っていたかと言うと、
死神はついてこない姉に驚き、
感心していろいろと教えてくれたんだそうだ。

客観的に見るといろいろ矛盾しているんだけど、
本人は筋がとおっているらしい。

いっちゃってる人だったんで、細かいところは許してやって。

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