10年位前の事。

帰宅後夕飯食べて、
自室で本読んでたら携帯が鳴った。

知らない番号だったが、
基本電話には出るようにしてるので、
その時もなにも考えずに出てみた。

「もしもし」

と呼び掛けるも、
向こうからは何も聞こえない。

とても静かな場所からかけてるらしい事だけは解るが、
相手からの声は聞こえない。

何度か呼び掛けて、
応答が無いから切ろうとしたとき、

『寒い…凄く寒い…』

と、そこそこ年齢を感じさせる声が聞こえた。

「どうしたんですか?と言うかどちら様ですか?」

と訊いても、

『寒いんだ…』

と震えた声が返ってくるだけ。

因みに季節は夏で、
猛暑の年だった。

そのうち電話が切れた。

悪戯だろうとは思ったが、
基本仲の良い数人の友人にしか番号教えてない時代だったので、
万が一、助けを求めてる人が間違い電話をかけたのかもしれないと考えて、
すぐリダイヤルした。

そしたら、

『この電話番号は現在使われておりません』

のメッセージ。

確か着信拒否の場合、
メッセージは異なる筈。

悪戯だとして、
どんな手法を使ったんだろう。

未だに謎。

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