小学校低学年の時の話。

母が用事でいなかったため、
しかたなく父の職場に連れていかれた。

日曜日だったので、
工場には工場長の父と私だけ。

事務所にいなさい、
絶対に出るなと言われ、
父は仕事をしにいった。

しばらくして、
どうしても探検したくなってしまい、
こっそり事務所を出ようとドアに手を掛けると、
空いていたデスクの椅子が勝手に動いた。

人が立ち上がるようにスゥっと。

怖くなって、急いで事務所を出て、父を探そうと、
工場へ続く2枚のドア(ガラス窓がついてて向こうが見える)に向かったんだけど、
今度はそのドアが勝手に開いた。

向こう側の一枚が。

ガラスの向こうには誰もいなかったのに。

父の所に行くにはそのドアを通らなきゃならないが、
とても怖くて行けなかった。

半べそで事務所に戻ろうとすると、
後ろから

「危ないよ」

とはっきり聞こえた。

男性の声だった。

仕方なくしばらく事務所でいじけてたら、
父が戻ってきたので、
泣きながらことの顛末を説明すると、
少し考えてから教えてくれた。

椅子が勝手に動いたデスクは、
先日突然亡くなった事務員のおじさんの机だったと。

工場には危ない機械がたくさんあるから、
お前が工場に行かないように見ててくれたんだろうと。

「そうか、まだ○○さんは仕事しに来てるんだな」

と父は呟いてた。

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