昔ビデオ屋でバイトしてた頃の話なんですが、
そこは営業時間が夜中の2時までで、
大体後片付けをして掃除をしていると
帰るのは3時頃になってしまうんですね。

なんていうか
一番薄気味の悪い時間帯なんです。

で、そこのビデオ屋は
昔から従業員が霊体験する事が多くて
僕も夜中帰ろうとして一人で表の駐車場に出たら
三輪車に乗った3歳くらいの男の子を見たりした事がありました。

(ちゃんとキコキコペダルを漕ぐ音もして
まるで生きてるようでしたが
もう少しよく見ようと近づこうとしたら消えてしまいました)

で、色々ありましたが
一番ゾッとしたのは後輩の子が体験した話なんです。

その日僕は中番で11時頃上がる予定でした。

で、その時間が来たので帰ろうとすると
入り口におじいさんが立っているんです。

上下ジャージのかなり高齢のおじいさんで
大体70歳くらいに見えましたが、
こんな夜遅くにおじいさんがビデオを借りに来るとは思えませんでした。
(そのお店はアダルト中心でしたので)

でも一応後輩に

「お客さん来てるからちゃんと見といてね」

と伝えて帰りました。

ここからは聞いた話です。

その日は遅番で後輩(借りにTとします)と
もう一人の新人さんが残っていました。

僕から言付けされたTは
僕が出ていった後
すぐに店内を見回してみましたが
誰も居なかったそうです。

でもレジに戻ると
もう一人の新人さんが

「今おじいさんが通りました…」

って言うんです。

Tはおかしいなぁと思いながらも店内を回りますが
一向に人の姿はありません。

お店のドアは
自動ドアで開くとチャイムが鳴ります。

そのためそっと店内に入る事は
ほぼ不可能と言えます。

そのチャイムの音もドアが開く音もしてないのに
なんでおじいさんがいるのかは解りませんでした。

でもお客さんには違いは無いので
レジの前で待っていました。

30分経ち、1時間経ち、
気がつくと深夜零時を回っています。

それでもおじいさんは来ませんでした。

仕方ないので
新人さんと二人で店内をくまなく見て回る事にしました。

物置もトイレも全て確認してみても
おじいさんはいません。

狭い店なのですぐに見つかるはずなのに…

Tはきっと帰ったんだと思い
探すのを辞めたそうです。

その時Tはハンドモップを持っていたらしいのですが
ついうっかり落としてしまったそうです。

それを拾うおうとしゃがんだ時
Tは棚の向こう側、
下の15センチくらい空いてる隙間から
ジャージを履いたよろよろの足を見たそうです。

ペタン、ペタンと引きずるように歩く足を…。

Tは驚いてすぐさまレジに逃げ
そのまま営業時間が終わるまで
レジの前から離れなかったそうです。

そうしているうちに営業時間も終わり
後片付けをして帰る事にしました。
(一応新人さんに店内を見回ってもらいましたが
誰も居なかったそうです)

Tが店の電気を消し、
カギを閉めました。

階段を降り下の駐車場へ行くと
遠くの方からブーンブーンと音がしていたそうです。

きっと隣の店の電気の配線かエアコンだろうと思い
停めてある車のドアを空けました。

その時チラッと2階にある店の窓ガラスを見て
Tは凍りついたそうです。

なんと窓ガラスに
ピッタリとおじいさんが張り付いて
ウーンウーーーーンと唸っていたそうです。

ブーンブーンという音はおじいさんの声だったらしく
しかもこっちをじぃ~っと見つめていたそうです。

ガラスの向こう側でそんな声なんて聞ける訳無いのに
おじいさんはウーーン…アァアアアア!!
と唸っていたそうです。

ちなみに
  店の通路
棚棚棚棚棚棚棚棚棚棚
  おじいさん
窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓
    外

上から見るとこんな感じです。

この間は10~15センチ程しかなく
普通なら人は入れません。

Tは車を置いて
そのまま走って逃げたそうです。

僕が実際体験した話ではありませんが
これが一番怖かった話です。

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