俺が小学4年位だったかな?

それ位昔の話なんだけど
ハッキリ覚えてる話。

脚色無しね。

ある日、
夜中に目が覚めたのですよ。

無性にトイレに行きたい感じで起きちゃってさ、
トイレに行ったんだけど、
用を足してると外でなんか聞こえる。

良く聞いてみると
すっげぇ楽しそうな声で女の子が

「うふふ。ふふw.....ぼそぼそ...ふふふw」

なんて笑ってんだよ。

俺寝ボケてたもんでさ

「どっかの家族が散歩でもしながら
楽しいお話でもしてんのかな?」

なんて思いながら
部屋戻って寝たんです。

その次の日、
また夜中目が覚めてトイレに行くと

「うふふ。ふふw.....ぼそぼそ...ふふふw」

どうやら昨日の夜中の女の子っぽい声

毎日夜中に散歩するのが日課なんだろう

変わった家族だよね!

なんて思おうとしたんだけど....

いやいやそんな訳ないだろ
タイミング良過ぎるよ
流石に2日連チャンは無いない!!!

そう思うと段々気持ち悪くなっちゃってね

いっそ確かめてやろう。

普通に家族が散歩してるだけだろう!
って思いたくてさ、
玄関飛び出したんだよ。

玄関出てすぐ声のした方みると
夜中だからかわかんないけど
何も居なかった。

でもね

「うふふ。ふふw.....ぼそぼそ...ふふふw」

って確かに聞こえる。

家の前には擁壁があってね、
その上は林があるんだよね。

どうやら擁壁の方から声が聞こえる。

って事は林の方から聞こえるって事だ。

夜中に女の子が林で笑ってるって良くある話なのかもしれないけどさ、
当時小学生だった俺は流石に怖かったんだよ?

それより俺が玄関飛び出したもんだから
家族が起きちゃってさ、
玄関から親が飛び出して来た事にも恐怖だった。

親にこっぴどく叱られた俺は
暗い気持ちになりながら寝たのを覚えてる。

夜中起きる事もなくなり
あの声のした日から一週間位経った頃だ。

9歳年の離れた兄貴と
家の前の林に探検に行こうと誘ったんだよ。

この林ってのがすっげぇ広くてさ、
子供にとっては良い探検場所。

秘密基地を作って友達に自慢したいので
兄貴について来て貰ってさ、
作ろうぜって事になったのね。

で、場所がわからなくなっちゃあいけないからってんで
ちょうど家の前から真っ直ぐの
わりかし奥ら辺に作ろうって事になった。

ワクワクしながら入って行ったら
秘密基地作れんじゃね?って位の
狭くも広くもない場所に着いた。

高さ40センチ位の苔生した石があって邪魔だったんだけど
どうにかここなら作れるぜって事で一息ついたんだよね。

兄貴がモゴモゴなんか言いたそうなんで

「どしたん?」

って聞いたら

「その石....無縁仏じゃ....」

まだ小学生だったのでその意味が分からず
兄貴に聞くと

「忘れられた墓よ。
誰も参らず誰も手入れせん墓じゃ。
ここはやめよう。
てか帰ろう」

そう言われて
俺と兄貴は暗い気持ちになりながら帰った。

あの声の主はもしかして
無縁墓の下に眠る仏さんだったのかもしれないね。

恨みつらみとか
そう言う憎悪の念みたいなのは全く感じない

どっちかと言うと
気付いて欲しかっただけなのかも。

そんな気持ちになった小学生の夏休みの出来事でした。

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