早朝のできごとだった。
バリバリという激しい音に
最初は豪雨かと思って窓を開けたら
右の方から火が出ていた。
こりゃやばいと思って
バッグを掴んで外に出ると
ほぼ同じアパートと言ってもいいぐらい近い場所にあった
隣の古いアパート(実際何故か繋がっていた)の真ん中の部屋が
近づくことも無理なぐらいごうごうと燃えていた。
気付いたのが早めだったので
無事に脱出。
まもなく消防が到着。
1時間くらい?して
死体を入れる袋的なのを運び入れてたから
「ああ、中に人がいたんだな…」
と思った。
結局原因不明の出火で
火元の部屋を含む三部屋が燃えて、
とてもじゃないけど人が住める状態じゃないので
燃えたアパートは封鎖。
火元の部屋は
おじいさん(まばらぼけ)が一人で住んでいて、
近所のお姉さんが時々介護にきていた。
両親は最近死んだばかりで、
毎日早朝まででかい声でお経を唱えて
お線香をあげていた
火元はお線香をあげる際につけていた
蝋燭ではないかとのこと
(いつか火事になるよねって噂だった)
出火当時、
向かいのアパートのおばさんが発見して通報。
通報した人によると、
最初おじいさんはベランダに出て助けを求めていたらしいけど、
突然部屋に引き返してそれから出てこなかったとの話。
近所の人とも話していたけど、
助けを求める声なんていうのは
一切聞こえてこなかった。
おじいさんが自分で部屋に戻ったのは
お姉さんにもう迷惑をかけたくなかったのもあるだろうし
天国の両親が呼んだんじゃないかって話だった。
窓からも扉からもとてもじゃないけど入れないほどの炎だったのに、
部屋の中に戻ったおじいさんの心境ってどんなものだったのだろう…
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コメント
コメント一覧 (14)
おじいさんの、そのまた親御さんという事は、かなりの高齢。どうかしたら夫婦共に100歳越えてたかも。
まだらボケの弟を介護してたお姉さん。老いても矍鑠(かくしゃく)としてたのですね。素晴らしい。
で、何の話しでしたっけ?🐯
火事は怖いですね・・・
介護されるような年齢のじいさんの両親がつい最近まで生きてたってどんだけ長生きなんだよwww
ガバガバ過ぎァ!
少し呆けていたようだし、一番頭にあった御両親への弔いの気持ちが炎の恐怖に優ってしまったのかと。
老年に家が燃えたら、文字通り全てを失ったと感じると思う。まして延焼してたら失うだけじゃ済まない。働き盛りでも賠償出来ない+申し訳なさから首をくくるまであるレベル。
ボケがどれだけ進んでいるのか分からないけど、もしもしっかりしてた頃に火事の恐ろしさをしっかり認識していたとしたら、助けを求める最中に助かった後自分はどうなるんだろうって一瞬でも頭をよぎるかもしれない。
私には助かる事を諦めて死を受け入れるために戻った、とゆー印象だった。
このまま両親の元へ行こう、って。
※6です。
地に足をつけて生きてきた人にとって、老年期は穏やかで充実したものになるというのは同意です。
また、保険に関しても痴呆の場合は過失(故意)とは見做されない様なので、私の考えすぎでした。
ただ、あれです。
火事の何が一番のダメージかというと、思い出の品や場所が燃えて無くなるというとこです。
数十時間プレイしてるRPGのデータが飛んでしまったら、もっぺんイチからやるぞ!とはなかなか思えないと思うんです。気力が続かないというか。
まして自分の所為で他人様の思い出を消し炭にしてしまった事、その家族の生活や下手すると人生に一方的に変更を強いることになる事を気に病むことは謙遜とは違うと思うのです。
ボケてたらここまで考えないとは思いますけど、年金だけでゼロから生活を立て直すというのはかなりの無理ゲーですし(家具家電衣服etc)、そもそも孤独死を忌避して年寄り1人だけだと部屋を貸してくれる所はなかなか見つからないのが現状です(身寄りのない男性の老人だと特に)。
周囲の同情もそう長くは続きませんし、救助されてたらかえって悲惨なことになったんじゃないかと思います。
長くなり過ぎました。ごめんなさい。
痴呆もどれだけ進んでるかもわからないし色々と詮索しても無駄なだけ。
ストーリーを考えて、暇つぶしにねw
»ベランダに出て助けを求めていたらしいけど、突然部屋に引き返してそれから出てこなかった
»助けを求める声なんていうのは一切聞こえてこなかった。
って書き込みを読んで思い浮かんだのが何の躊躇いもなく、部屋に入るおじいさんの図なんだ。熱いけど行かないと!じゃなくて中から誰かに呼ばれて あぁ 今行く って感じ。御両親が炎と煙をおじいさんの五感から消しに来たんじゃないかな って考えちゃった。そうだったら凄く すごく羨ましい。
おじいさんの両親とはパッと思いにくいし。