幼稚園の頃の体験なんだけど、
正直あまり思い出したくない。

毎年お盆には母方の実家に行っていた。

当時幼稚園の年長ぐらいだった自分と
4歳上の姉は近所の小学生とよく遊んでいたんだ。

どういう経緯かは覚えていないけど、
自分を含めて5人ぐらいで
近所の山の中にある墓地に探検しにいくことになった。

四方を石垣で囲まれた
さほど大きくない墓地だったんだけど、
なぜか入ったあとに出られなくなってしまった。

同じ方向をぐるぐる回っている感じ、
回りは高い木に囲まれているので
昼間でもあまり日光が入らずに薄暗い。

皆だんだん心細くなってきた。

そうしたら、一人の子が、

「木の上にお婆さんがいる!」

と叫んだ。

自分には見えなかったんで、
脅かしているのかと思ったら、
他の子も見えるとか言いだしてパニックに。

その子が指をさしたあたりをみると、
確かにお婆さんみたいなのが
太い木の枝の根元にしがみ付いている!?
(今思えば猿だったのかもしれないけど)

さらに、
他の木の葉に血がついていたりして
本格的にパニックになってしまった。

どこをどう走ったのか、
姉に手を引かれて
なんとか墓地の外に出ることが出来た。

みんな全力で山道を下っている途中で、
一人が、

「お婆さんが追いかけてくる。
うわぁあ手が長い!?
手長ババァだぁああああ」

と後ろを向きながら叫んだ。

でも、自分には見えなかった。

必死に走って
やっと祖母の家が見えたあたりで、
急に足が重くなって
そのうち一歩も足が動かなくなってしまった。

自分だけじゃなくて全員が。

さっきお婆さんが追ってくると言った子が、
手長ババアの手が伸びて追ってくると
パニックになり号泣。

他の皆も当然泣き叫んでる。

自分にはそのお婆さんは見えないけど
足が動かないことで
ものすごい恐怖を感じたことを覚えている。

このまま見えないお化けに捕まるのかと思っていたら、
祖母が家から、

何やってるんだ?

と走りよってきた。

すると、
その手長ババアは
ものすごいスピードで走りさったらしい。

祖母も何やら陽炎みたいなものが、
走り去るのを見たらしい。

あれは一体なんだったのだろう?

その後高校生になり、
その墓地を捜しに行ったが見つからなかった。

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