僕が高校生の時に、
実際に体験した話です。

都内の高校に通っていた僕は
サッカー部に所属していました。

いつも放課後は遅くまで練習に励んでいました。

うちの学校は、校舎の下に正門があって
そこをくぐると校舎に囲まれた校庭が広がるという

だいぶ変わった構造をしています。

つまり、
どの校舎の教室からでも
校庭を見渡すことが出来るんです。

いつものように練習に励んでいると、
友達が声をかけてきました。

本館の3階を見てみろって言う。

言われた通りに見てみると

女の子が窓枠に肘をついて、
頬杖をついてこっちをのぞいていました。

それからです。

サッカー部が校庭で練習していると、
いつも、彼女が教室からのぞいていました。

そのうち、
誰かに気があるんじゃないかってうわさになりました。

彼女はいつもきまった教室からのぞいているのだが、
今は使われていない教室で、
いったい何年生なのか、
どこの組なのかも分からない。

ある時、確かめようということになって、
運が悪く、僕が行くことになりました。

本館の3階にあがると、
例の教室の前まで来ました。

窓から覗いて見ると、
いました。

彼女が、肘をついて
校庭を眺めている後ろ姿が見えました。

長い髪をしていました。

手前の机が邪魔で肩までしか見えませんでしたが、
椅子に座っているようです。

緊張して、
なんて声をかけようなどと考えながら、
戸を開けました。

戸を開ける音に気づかなかったのか、
彼女はさっきと同じように外を眺めていました。

「あのうー」

声をかけると同時に僕は気づきました。

肩から垂れ下がる長い髪…

その肩から下には何もありませんでした。

そこには、
コンクリートの壁が見えていました。

パニックに陥った僕が固まっていると、
彼女がゆっくりと振り向きました。

真っ白な顔で、
唇だけが血のように真っ赤でした…

目の表情は全く変わらずに、
口だけが『にやっ』と笑っていました。

「うわあー」

ようやく我にかえると
教室を一目散に飛び出しました。

廊下を走っていると

『ずず…ずずず…』

なにかを引きずるような音に気づきました。

走りながら肩越しに後ろを振り返ると、
3、4メートル後ろから
彼女がすごい勢いで肘ではってくるんです。

僕は今度は後ろを振り返らずに
一目さんに校庭まで逃げました。

部員達に話しましたが
誰も僕の話を信じてはくれませんでした。

その日から、
彼女は3階の窓から現れなくなりました。

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