昔何度か時間を跳んだ事がある。

ある夏の日、
その日の昼までに仕上げて
神社に納品しないといけない絵があった。

でも完成までには最低でもあと二時間はかかる。

しかし時計を見ても残り時間は数十分。

未完成を納品するわけにはいかず、
とにかく全力で描き上げてなんとか二時間で終わらせ、
神社へ走った。

絵を渡し、
汗だくになりながら遅れてすみませんと謝ろうとした瞬間、

「早かったですねぇ」

と神主さんに言われたんだ。

時間を確認すると、
まだ納品の二時間前だった。

それ以来、
どうしても間に合わない時に、
数回だけ時間が巻き戻る事があった。

昔の話だが、
これがなければ今の自分は無かったと思う。

得体は知れないが感謝している。

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