小さい頃、
友達の家に遊びに行ったんだ。

そいつの家は本の虫一族で、
部屋の一つが巨大な本棚だった。

そいつに

「面白い本が何か無いか?」

と聞くと、
そいつは先ず、
一冊の本をそいつの胸元ぐらいから引き出して、
その本の内容をパラ見してた。

そいつはその本を読んだまま、
右手をちょいと右手に出した。

すると、
本棚の最上段から本がずるっと一冊だけ、
そいつの右手に納まるように落ちてきた。

「この本、写真が多いから面白いよ」

そう言って、
そいつは自分にその本を差し出してくれた。

当時は何とも思わなかったけど、
アレは一体なんだったのだろう…

そういえば、返す時もそいつ、
本をぽいと投げて、
その最上段の隙間に入れてた。

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