駅からうちまでは歩いて7分。

コンビニや24時間営業のレンタルビデオ屋があって明るいし
夜でも人通りが絶えない。

昨日も仕事が遅くなり、
コンビニで夜食を買って帰ろうとしていた。

駅を出て思わず足が止まった。

誰もいない。車も通っていない。

時計を確かめる。21時。

正月でもこんな状態を見たことがない。

不審に思いながらもコンビニへ行く。

店内も無人だ。

店員の姿も無い。

怖くなって何も買わずに飛び出した。

コンビニからマンションまでは3分も掛からない。

エレベーターのボタンを押す。

二階三階・・・・ついた。

家のドアに鍵を差し込んだ瞬間、
唐突に思った。

駄目だ。これは罠だ。

このドアを開けたら取り返しがつかなくなる。

何でそんなことを思ったのか。

夢中で無人の町を駅に駆け戻った。

駅の構内に着いたとたん、
ざわめきに包まれた。

私は雑踏の中にいた。

駅を出る。行き交う人々。

コンビニの前を通る。

立ち読みする人たち。

店の前で座り込んでる少年達。

マンションに着く。

ホッとしてエレベーターに乗る。

家のドアを開けた瞬間、
舌打ちが聞こえた。

【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事