おれの家の近くに白山神社がある

もっとも白山神社といっても
日頃は神主もいない無人の神社なんだけど
その神社は正面の社殿と
その脇にやや離れて建てられている祠で構成されていて、
問題はその祠だ

おれは小さい頃からこの祠がとても怖かった

小学校の頃、一度中をのぞいてみたら
中は壁も天井も全体が真っ赤で実に禍々しい雰囲気

床にも赤い布が一面に引いてある

広さは4畳半くらいで
奥にでんでん太鼓みたいなものが一つと
刀(?)が一本立てかけてあった

家に帰ってあれはなんだと親に聞いたら
稲荷の祠らしいとのこと

ほかにも当時の小学校内で、
あの神社の周りの林に
火の玉が飛んでるのを見たやつがいる、
という噂もあった

おれはとにかく怖かったので、
遊ぶ時でもできる限りその神社、
特に祠には近づかないようにしていた

おれが中学2年の年の4月末のある日、
夕方に例の白山神社の前を自転車で通ったら
なんとあの祠の鉄製の扉が突然バーンと開いて、
中から人が6~7人出てきた

おれは驚いた、
あの中に人が入っているのを見たことがなかったからだ

さらにその後もっと驚いた、
最初に出てきた6~7人の後にすぐ続いて
ぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろ・・・と
30人近い人数が出てきたのだ

一体あの中で何をやっていたのか?

いやその前に物理的に考えても
あの人数がどうやって入っていたんだ?

出てきたのは全員大人で男ばかり

おれは知ってる顔がいないかとその人たちの顔を見つめたが、
知ってる人はひとりもいなかった

やがてあっちの方の何人かが
睨みつけるような顔でこっちを見るので
あわててそこを離れた

親に聞いたら夢を見たんだろうと言われたけど、
絶対に夢ではありません

祠と社殿は直接つながってはいないので
社殿の方から移動してきたわけでもないはずです

後はあの祠の中に地下に下りる階段でもあるのかもしれませんが、
以後10年近く確かめたことはありません

いまでも神社と祠はそのままあります

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