俺はボーイスカウトみたいなものの
スタッフをやっていた。

子供たちを数十人集めて
夏にキャンプをやるのだが、
夏にやるためには5月ぐらいに
スタッフが現地に行って準備をする。

その準備に4人で行った時の話。

新宿に21時集合、
一路北を目指して出発。

ワゴン車一台で行くのだが
一番年の若かった俺が助手席に座った。
(便宜上運転手A、以下歳の若い順にB、Cとします)

久々に集まったスタッフだったので
話しも盛り上がり、
11時ぐらいには某SAに入り
缶コーヒーを飲んで一服。

後は次のインターチェンジで高速を下りて下道を通り
山道を経て目的地に着く。

順調なはずだった。

SAを出て中央車線走行中
(深夜だったので140k/m程出てた)

突如として右側反対車線の方から
白いものが車道に飛び出してきた。

A「うわ!ねこねこねこ!!」

B「よけろ!よけろ!」

俺「右右!!」

車内は一瞬にしてパニック、
ほぼ右側の車線と中央車線の間まで猫が来ていたので、
運転手は右にハンドルを切れば猫はそのまま進み
右車線でかわせると判断、
右にハンドルを切ってやりすごす、、、、

はずだったが、ライトの向こうで
猫が驚いて目をむくのが見えた。

猫は何を思ったか
瞬発的に車の進行方向に飛びのくというか
右車線に戻った。

C「ばか戻るな!」

俺「左!!左!!!」

A「ダメだぁ!」

ゴツン

轢いた音というか振動が真下から来た。

よりによって俺の真下の左前タイヤで。
跳ねたのか轢いたのかわからないが、
何かが当たったのがわかった。

俺「、、、」

A「やっちゃった、、よな、、。」

B「まさか戻ってくるとは、、。」

くら~い気持ちになったが、
後続車が見えないとはいえ
まさか高速で止まって確認するわけにもいかずに
そのまま走行

とりあえずICで下りて
しばらく行ったコイン洗車場に車を止めて
左前のタイヤを懐中電灯で照らして見てみた。

が、特に予想したもの(あれとかあれとか、、)は
こびりついておらず、一見綺麗に見えた。

B「あれー?なんにもないぞ」

A「確かに轢いたよな?跳ねちゃったのか?」

C「案外生きてて逃げたのかも。うんそうだよきっと」

確かに足回りには何も無かった。

と皆現物が無いことをいいことに
希望的観測でその場をやり過ごし
再度車を発信。

1時前には目的地のキャンプ場に到着した。

常駐職員などは居ないので
約半年放置されているキャンプ場だが
研修棟という割としっかりした建物があるので、
途中で調達したビールを飲みながら談笑した。

話題は自然とさっきの話に

A「いやぁ不運だったなぁ。俺らも猫も。」

B「あのまま進めばいいのに
戻ってくるから悪いんだよ。
しかしいやな音だったよなぁ。」

俺「俺真下でしたよ、、振動感じました、、。」

A「じゃあ祟られるとしたらお前だな。
俺しーらね。」←運転手

俺「無茶苦茶な、、、。」

などと軽口を叩いていたが、
眠くなってきてお開きに。

4人川の字になって布団に入り、
酒も入ってたので俺はストンと眠りに入った。

どれくらい時間がたったのか、両足が痛い。

攣っているようだ。

寝ていて足が攣ることはよくあったが、
両足というのは初めてだった。

さっきの運転手の話が頭をよぎったが、体は動く。

両足のつま先を掴んで
ふくらはぎを伸ばしたり
モゾモゾ痛みと格闘していると

ジャリ、、ジャリ、、ジャリ、、、ジャリ、、ジャリ、、、、、

と外の砂利を誰かが歩いているような音が聞こえて来た。
(誰か外で小便か?)

一番出口側で寝ていた俺は
左側を見ると4人全員居るようだった。
(おかしい、、)

その間にも外では
ジャリジャリと歩く音が聞こえる。

B「おい」

隣で寝ていたBが
俺に気づいて声をかけてきた。

「聞こえるよな。お前。」

はい聞こえますと答えるのと同時に
足音がコツコツという音に変わった。
(近づいてきてる、、)

とっさに俺とBは同じことを考えたと思う。

しばらくコツコツと音が聞こえていたが、
やがてそれはカンカンという
怪談を上る音に変わった。
(俺らが寝てたのは研修棟の二階です。)

このときAとCは爆睡していた。

カン、、、カン、、、カン、、、、カン、、、

一段一段誰かが怪談を上ってくる。

一人だったらパニックになったろうが
Bと二人だったのでとりあえず先輩はナタを、
俺はマグライトを手に持ってその場で待ち構えた。

やがて上る音も止み、
どうやら出入り口の前まで何かは来たらしい。

特に引き戸を開ける様子などはなく、
スリガラスの向こうにも誰か居る気配は無いのだが、
そこに何かが居ることを確信した。

(・・・・)

B「・・・・行くぞ」

匍匐前進みたいなカッコで
ナタを手にドアに向かうBの後ろから
マグライトを持ってへっぴり腰になりながら
俺はついていった。

Bは引き戸のとってを掴み、
ガラ!とあけた瞬間に
俺はマグライトで外を照らした。

何も居なかった。

居なかったが、
何かぬるりとしたもの?風?が
俺の顔というか体を通り過ぎる感覚がした。

非常に気分の悪いものだった記憶がある。

“それ”が通り過ぎたのは
感覚的にBも俺もわかったようで、
とっさに振り返ると
さっきまで爆睡していたはずのAが起きている。

首が変な方に曲がったまま
女の子座り?みたいな座り方で
ペタンと布団の上に座ってた。

Cは相変わらず爆睡。

B「え、、Aさん?だいj、、、」

声をかけた瞬間だった。

「うわぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁg化jガッくぁvじぇえrてsd!!!」

声にならない叫びを上げて、
ものすごい勢いでAは入り口の俺らから離れて
研修棟の奥へ奥へと逃げていった。

A「来るな!来るなよぉ!くるなぁぁkfjぁけrjか!!!」

Aの声で起きたCと三人であっけにとられて
Aを見ていたが、Aは一番奥の窓のカギを猛烈な勢いで開け、
窓を全開にするとフチに足をのせた。

Bと俺「ヤバイ!!!!」

声を発すると同時にAは飛んだ。

それほど高くは無いのだが、
落ちたイヤな音が今も耳から離れない。

ぐちゃともぼきゃともぐきゃともいえないイヤな音だった。

C「うわ!うわ!」

俺「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

B「やばいやばい!!」

残った3人は慌てて窓に駆け寄って下を見たが、
真っ暗で見えない。

俺がライトで照らしたがそこには何も無かった。

嘘だろと呟いたのを覚えている。

急いで怪談を下りて
落下地点に駆けつけたが案の定Aは居なかった。

Cは事態が飲み込めず
しきりになに?なにごと?
と俺らに聞くのだが
説明のしようもなく、
とにかくAを探してくれとBが言って3人で探した。

3人バラバラで探した方が効率は良かったろうけど、
怖すぎて出来なかった。

半狂乱で俺ら3人は方々を探したが、
何せ夜中で探しようが無い。

それでもライト片手に探し回ったのだが
見つからなかった。

3時間も色々探しているうちに
気がついたら明るくなっていた。

3人で事態を整理しよう相談。

とりあえず警察に相談しようと、
電話を取るもなぜか不通で
やむを得ず俺とBが車で
人が居るところまで行って警察に事情を説明して
人を集めてもらうことにして、
Cはその間キャンプ場に残る事となった。

Aの車キャンプ場を出て
500m程の所に池というか沼があるのだが
そこを俺がなんとなしに眺めているとひざまずいて
直接沼に顔を漬けて泥水を飲んでいるAが見えた。

沼の周りはAがケガをしているという前提で、
そんなに遠くにはいけないだろうと
夜中の間に探さなかった場所だった。

俺「うあぁ!Bさんアレ!アレ!あそこに居る!!」

B「え、、!ほんとだ、、なにやってんだよAさん、、。」

二人で駆け寄るとAは放心したように
ぼーっと俺らを眺めていた。

二人でAを抱えると
抵抗はしないがなんだか
ぐにゃぐにゃして立ってくれない。

止む終えず俺が膝の辺りを、
Bが腋の下から手を入れて二人で運んだ。

なんだか足がプラプラしているが、
とりあえず麓の病院へ運んだ。

車の中で何を聞いても答えず、
全くしゃべらなくなっていた。

とりあえず医者に診せたのだが、
Aは両足のスネから下がボッキリと折れていた。

医者はどこからか飛び降りたのかと聞くので
カクカクシカジカと説明したが
そんなことはありえないと言う。

医者「両足がこれほど完全に折れている人間が、
どうやってそんな速さであんたらの視界から消えて、
どうやってそんな距離を移動するんだ?」

言われて見ればそうだろう。

だが現実にそうだし
後はどう説明していいかわからず
小さい病院だったがとりあえずAを預かってもらい、
キャンプの準備どころではないので
Cを迎えに行ってすぐに病院に戻ると
Aは意識を取り戻していた。

痛い痛いとしきりに騒いでいたが、
落ち着いてきてから話を聞くと
なぜ自分がここに居るのかも覚えていない。

正確には分からないが
先日からの記憶が完全に抜け落ちているようで、
自分が今○○県に居ることしきりに不思議がっていた。

Aはその日のうちに救急車で同県の大きな病院に移り、
俺らもとりあえず東京に戻ろうと
俺は助手席のドアを開けてふと下を見たら

ホイール、タイヤ、ドロハネ足回り全部に
ネコの毛やら肉片やらがこびり付いてた。

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