爺ちゃんから聞いた話で10年前の事だから、
多少うろ覚えだが勘弁してください。

T県の山に、
猟師をしてた爺ちゃんは入っていった。

若い頃としか聞いてないので、
今60なので40年前ほどになるか。

普段は兎や猪を仕留めてたりしてたのかな、
その日は一匹も獲物に遭遇しなかったそうな。

本当に一匹もいなくてイライラしていた矢先、
普段通る山道の途中に石碑があるのだが、
何かおかしいと爺ちゃんは思ったそうな。

その石碑は横に長いらしくて、
後ろが全く見えないらしい。

何か一杯文字が書かれてたらしい。

その石碑の横から尻尾だけがちらっと見えたそうな。

その尻尾かなり大きくて長かったらしい。

尻尾はすぐ引っ込んでいって、
爺ちゃんは何を思ったか好奇心で尻尾を追ってしまった。

石碑の後ろに回り込む。

何も居ない。

しかし石碑の後ろには道が続いていた。

それは木々の間にある細い道で、
爺ちゃんは不自然に感じたそうな。

その道を歩いていくと、
すぐ開けた場所に出た。

そこは大きな木々がそこを囲む様に生えている。

円を描いた様なその開けた場所は、
真ん中に綺麗な川が流れている。

その川の石で出来た中州に目が行く。

色々な動物の物と思える骨やら肉片が
山積みにされていたそうな。

幻想的とも思える山奥で見つけた開けた場所なのに、
そこには似つかわしくない物だった。

爺ちゃんは困惑していたそうな。

ふと上を見ると、
大きな木の枝に何かがたくさん掛かっている。

猿?だったかな、
そう見えたらしいがよく見ると違う。

獣の皮が干してあったそうな。

人間じゃ上れない様な高さにたくさん、
綺麗に四角に畳んであったそうな。

そこで爺ちゃんは、
此処は人間が来る所では無いって直感で感じて、
逃げたそうな。

帰り道特に何も無かったらしい。

そしてもう二度とそこには近付かなかったそうな。

周りの知人や猟師仲間に聞いても、
そんな道は無いとか言われたとか。

確かめようにも、
体が拒否してそこに近付けなかったそうな。

オチも確信に迫る情報も無いのですが、
爺ちゃんが真剣に孫の俺に語ってくれた話だったので
書かせてもらいました。

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