またお芝居での話。

我が校の演劇サークルが、
杉並某所の小さなTスタジオで、
公演を打つことになりました。

芝居の稽古中、暗転チェックというものがあって、舞台を転換するときに、
舞台上が真っ暗になるかどうかを調べる時間があるのですが、
そのチェック中、演出の先輩がかんかんに怒って

「誰!ペンライト消して!」

と怒鳴っています。

舞台は明るくなり、裏方連中、役者連中
誰一人光源になるようなものは持っていなかったことを確認して、
誰かのミスや悪戯でないことが分かったのですが、先輩は

「舞台の上のほうで、光のスジが動いたのに、、、見たのに、、、」

とまだブツブツ言っています。

そういうときはしかたなく、

「オバケだろうオバケ!」

と誰かが笑ってすますことにしているのですが・・・・

それからもう何年たったでしょう。

今まさに小さな劇場などで公演をしている若い役者達がいます。

お笑いを交えた活気ある内容の芝居を打ちます。

そこの演出と飲んだときにお化け話になりました。

「釜姫さん聞いてくださいよ、この前出たんですよ、スタジオに」

「Tスタジオでしょ。」

「?!なんで分かるんですか?」

「いや、小さな場所で、いかにも出そうな所ってアソコじゃない?

昔、暗転中に光が走ったって大騒ぎしたもの」

「・・・僕らも凄かったんですよ。本番のビデオ撮ったら、
女の人の鳴き声入ってたんです。」

「やっぱり出るんだよ。そこ。」

私としてはそんな話は大好きだからむしろ記憶と
今現在、彼らの恐怖体験が繋がったことが嬉しかったのですが、
楽しいお笑い芝居に突如泣き声が入るなんて一人で見るには一寸・・・

なので、さすがにそのライブビデオは借りませんでした。

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