俺が体験した話。

中学三年の時、
墓場の近くで筆箱を拾った。

中にはよくある油性ペンが5.6本入っていて、
消しゴムとかそういうのはなかった。

紙に書いたらインクがまだ出たから、
友達数人に気前よくあげた。

普通の油性ペンより変な臭いがして、
俺は使わなかったけど。
でも俺が油性ペンをあげた友達は結構使ってたみたいで、

「よく使えるよな、変な臭いしねえ?」

って言ったら、

「普通の臭いじゃん」

って言われて、俺は首かしげた。

で、ある日の休み時間に
友達の一人が机で眠ってたから、
油性ペンあげた一人がふざけて、
あの油性ペンで眠ってる奴の顔に落書きした。

おでこに「肉」って書いて、
みんなで大笑いしてたら、
いきなり眠っていた奴が

「痛い痛い痛い!!!」

って大声で飛びおきて、
肉って書いてあるおでこを爪で引っかきはじめて、
呆然としてる俺達の前で
奴は爪で顔の皮をバリバリ掻き毟って、
すごい血がおでこから流れて、
肉の文字の書かれた皮膚がべりってめくれて、
中からピンク色の本物の肉が見えてた。

「痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃぃぃ!!」

って奴は叫びつづけて、
駆けつけた先生がなんとか取り押さえて、
救急車で運ばれていった。

それから奴は学校に来なくなった。

噂では、今でも肉って文字がどうやっても消えなくて、
手術しても、すぐ皮膚に浮かび上がってくるらしい。

みんな怖がって、
あの油性ペンを学校の裏に捨てたんだけど、
三日ぐらいして見にいったら全部無くなってた。

ちなみにあの油性ペン、
人間の油で作られたって噂もある。

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