俺が愛知県の某教習所に通っていたときのこと。

俺は在学中に車の免許を取り損ねたせいで、
その日も平日の仕事終わりに学科を受講していた。

先生の話をなんとなく聞きながら、
机に向かって教本を読んでいたんだが
ふとまわりの雰囲気が変わった、
というか密かにざわめいた気がしたんだ。

なんだろ、と思って前を向くと、
向こうが透けて見えそうなくらい薄~い感じの人が、
歩くでもなく、浮いているでもなく、
教壇前を移動している。

入り口の方から教壇を越えて、
教官のほうへむかっているようにみえた。

俺は?????って感じになり、
妙に落ち着かなくなって、周りを見渡すと、
20人くらいいる生徒の半分くらいが、
その薄~い感じの人を見ている。

直後、
生徒の一人(確か女の子だった)が突如悲鳴をあげ、
同時に教官がそれに気づき、

「ひいいいいいいいい!!!!」

って声を出したのを皮切りに、
教室中が大パニック。

皆が皆我先に教室を出ようとするものだから、
出入り口の扉前でおしくら饅頭みたいになり、
一時学校中が大騒ぎなり、
結果全教室で学科が中断される羽目に。

後日受付の姉さんに聞いてみたところ、
その教官が実車で受け持っていた女生徒が
ちょうどその日に事故でなくなっていたらしい。

卒業したてで。

【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事