梅雨の時期に体験した話です。

自宅マンションのベランダに作ったプランターで
イチゴ(とちおとめ)を栽培してたんだが、
近所の幼稚園のチビ共がお散歩タイムの時間になると
ベランダの前を通る時にイチゴを見て

「わーイチゴだーイチゴがなってるよー!」

とはしゃぐんだな。

先生が

「みなさーん、勝手に取っちゃ駄目だよー」

といつも注意して事なきを得るが。

俺はチビ共にくれてやる気は無いので
(万が一食中毒とか嫌だし)
いつも無視する訳だ。

だが、この日のチビ共は
なぜかいつまでもしつこく騒いでいた。

先生の声もしない。

「おいシーねー」

「うマいねー」

という声が聞こえた時は

「嘘だろ?」

って思った。

「おい、勝手に食ってんじゃねー!」

そう怒鳴りながら窓を開けるとそこには…

人間の顔の付いた蛞蝓が
びっしりとイチゴに群がっていた。

人面蛞蝓は

「おイしいねー」

「甘くてダいすきー」

と口々に囁いている。

気分が悪くなった俺は
窓をバーンと締切ると
毛布を被ってソファーに潜り込み
震えながら眠った。

嫌な夢だったと思う。

イチゴは蛞蝓に食われた様な
筋の痕がびっしり付いてあった。

気味が悪いので食う気も起きなかったので
次のお散歩タイムの時に
全部幼稚園児達に食べて貰ったよ。

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