知り合いの漁師の話。

その日はあまり漁に適しているとは言えない、
暗鬱な天気だった。

それでも船を出した漁師Aは、
上がってくる網をぼぅっとみていた。

話しかけても

「あぁ…うん」

くらいしか答えなかったらしい。

次の瞬間、
上がってきたモノによってAは壊れた。

魚だ。

だが只の魚じゃない、

言うなれば半魚人。

一メートルほどのぬめっとした、
見たことのない魚。

その体には鱗があったが、
途中でそれは途絶え、
途切れたところから人間の脚が生えていた。

目の前で暴れ始めたそれを
Aは半狂乱になって包丁で殺したそうだ。

知り合いのその漁師は
操縦席で見ていたらしい。

数日後Aが溺死体で見つかったとき、
その顔はずたずたになっていた。

魚の歯形にそっくりな傷が、
幾筋にも残っていたのだった。

【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事