家でゴロゴロしてたら
知らないアドレスからメールが届いた。

開けてみると

『ピンホールカメラ作ったぜっ!』

という本文と、
手作りピンホールカメラの画像が。

アドレスをみる限り
一般人っぽかったし暇だったので返信した。

『おっ、凄いね!器用だね(笑)』

と。

間違いメールなら送り主も気付くだろうと、
またゴロゴロしてたら返信が来た。

『でも結構苦労したんだよねー(苦笑する絵文字)
また今度ウチに来たら触らしてあげるよ。
そうそう、今度飲みに行かね?』

…正直、業者かチンピラの線を疑ったが、
どうやら普通の人のようだった。

確証は無いんだけどね。

その後もいくらかメールをやり取りするうち、
分かった事が3つ。

彼はどっかのリーマン。

俺を友人と勘違いしている。

最近会社を休みがちである、
ということだった。

暇つぶしにと始めた嘘メール返信に
自分が遊ばれているのでは?と考えもしたが、
暇だったし別に気にも止めずにその日は寝た。

次の日、俺は何となく彼の事が気になり、
受信履歴から新規メールの作成を試みたものの、
今度は自分が変な人ではないか!と思い止めておいた。

その後数週間はメールが来なくなり、
彼の事をほとんど忘れかけていた頃、
また見知らぬアドレスから一通のメールが届いた。

今度も一般人っぽいアドレス。

違うのは、
携帯のキャリアが変わってる点だった。

なんだアイツかな、と開いてみると、
中には数百文字に及ぶ長文。

顔文字や絵文字が一切使われておらず、
どことなく大人びた、
高齢の人が打ったように思えた。

内容を適当に纏めると、

『私は○○(彼の名前)の母です。
○○は事故で頭を強く打ち、
その後病院へ運ばれたが暫くして息を引き取りました。
あなたの話は○○からたまに聞いていました。
仲が良かったそうですね。
お葬式で○○を送ってやって下さい』

みたいな内容だった。

正直寒気がした。

イタズラにしちゃタチが悪いし、
チンピラが個人情報を引きだそうとしているようにも見えない。

全く知らない人が勝手に勘違いして、亡くなって。
その母を名乗る誰かがまた俺にメールを送って来て。

もしかしたら釣られてんのかもしれないけど、
あまり気分は良くなかった話。

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