阪神淡路大震災の時、
西明石に住んでたため、
震度7の揺れを体感した。

揺れてる最中、
二段ベッドの下の段に寝ていた私は、
母の

「布団をかぶれ!」

の声を聞いて、
すぐに布団に潜った。

少しして布団の隙間からチラリとのぞいたら、
何故か植木みたいな木が二、三本見えた。

なんでこんなとこに?

ベランダから植木持ってきてたっけ?

と思いながら、
必死で揺れに耐えていた。

揺れが収まってから家の中を見回って絶句。

一つとしてちゃんと立ってる家具は無かったし、
壁やらに亀裂が入っていた。

恐ろしくなって寝室に戻ったんだが、
何故か寝室だけ何一つ倒れてなかった。

小さいタンスの上の目覚まし時計すらそのまま。

んで、見えていた植木はひとつも無かった。

私がそんな木みたいなのを見たって話をしたら、
母は

「きっと死んだお爺ちゃんが守ってくれたんやねー」

と。

母は揺れが襲う寸前に、
死んだ祖父が

「すぐに逃げろ!」

とマンションの下から叫んでる夢を見ていたそう。

でも、なんで私には木に見えたのか、未だに謎。

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