私は市内の外れ、
幹線道路沿いで整形外科の開業医をしておりました。

去年、息子に病院を譲り引退しました。

市外にも幾つかの外科の医院がありますが、
市外の患者さんがよく来院されます。

最初は女性の頚椎捻挫(寝違え)の患者さんでした。

X-P(レントゲン写真)の有り得ない場所に、
不可解な白い影が写っておりました。

経験から金属性の物質。

形的には、昔の自転車の鍵のような不定形。

縦長で15mm位の大きさでありました。

私はそれに興味を持ち、失礼とは思いましたが、
女性患者に影の説明をして、いくつか質問しましたが、
患者さんには手術歴もなく、
本人にも記憶がないそうでした。

それから数年後、
また同じX-Pを見ることになりました。

その患者さんはなんと、
先述の患者さんと同じK郡K町の方で、
同年輩の女性の方でした。

またも私は失礼ながら、
幾つかの質問をしました。

すると心当たりがあるとの事でした。

しかし、その答えは空飛ぶ円盤に遭遇して、
一部その時の記憶が途切れてるという、
荒唐無稽なものでした。

三度不思議な金属片をX-Pで見たのは、
交通事故の患者さんでした。

前二人と同じ地区の住所と生年を確認した私は、
レントゲン技師の方に全身体の撮影を指示して、
果たして同じ金属片を頚椎のX-Pにて見つけました。

彼女には入院して貰いましたので、
何度か雑談をする機会を得ました。

「一度軽く屋上で光るUFOを見た」

と話を振ってみたところ、
上手く乗って来られました。

彼女の話では、少女の頃、
7~8人でK町の高台の神社に昇ってた所、
神社に光る物体が飛来し、
それを見に行く途中で記憶が失くなり、
気付くと神社の境内に全員が倒れていたそうです。

しかも、光りを見て気付くまでに、
3~4時間経っていたそうです。

冗談紛いに首の金属片の話をすると、
その時の数名も、頚椎に不思議な金属片が見つかった旨の、
話題が上った事があったそうで、
内一人は、どうやら上記の二人目の患者さんだった模様です。

気にはなりますが、
理由なく切る訳にはいきませんので、
結局謎のままでございます。

【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事