田舎に住んでたころの話。

うちの家のそばに昔風のお蔵みたいな建物があり、
中には古い家具とか汚いカーペットとおぼしきものとか
壊れたクリスマスツリーだとかが入っていた。

早い話物置だった。

ある日その物置に物を取りにいった。

蔵の前のまっすぐな坂道を降り、
鍵を取り出して物置の扉を開けたときのことだった。

さっきまで歩いていた坂道から
ものすごい勢いで誰かが駆け下りてきた。

初めはポカンとして立っていたのだが、
すぐにぞっとして物置の中に飛び込んで扉を閉めた。

一瞬しか見えなかったが、駆け下りてきたものは
顔はしわがあり40代?くらいに見えるのだが、
体は小学校低学年程度の大きさしかなかった。

また、何処となく外人のような顔立ちをしていた。

1時間くらい経ち恐る恐る扉を開け、
帰ろうとしたらまたそれがすごい勢いで坂道を駆け下りてきた。

勿論慌てて扉を閉めて隠れた。

もうこのまま帰れないんじゃないかと思ったが
30分程した頃、母親が蔵まで呼びにきてくれた。

その後何度かそれが坂道を駆け下りてくるのを見たが、
建替えのために蔵が壊されたあとは、
それを見る事もなくなった。

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