家の建て直し中の仮住まいでのこと。

軽量鉄骨の6軒続きのテラスハウスで、
エアコン付きだったので、
冷暖房関連機器は、押入れに入れたままになった。

テラスハウスの西隣、
塀の向こうには小さな神社があった。

小さくても、
祠の前の2本のイチョウは堂々たる姿で、
境内は掃き清められていた。

住み始めてしばらくたったある晩、
一緒に引っ越してきた猫たちの様子が変だった。

台所脇の小窓を凝視し、
唸ったかと思えば、
一目散に2階へと逃げだ。

何事かと部屋の外も確認したが、
何もなかった。

それが幾晩も、幾晩も続いた。

そして、夏の終わりに、
異変は私の身の上に降りかかって来た。

夜眠れない、
落ち着かなくて、
妙に息苦しい。

猫たちの挙動不審も続いていたので、
仮住まいの気遣いからイライラしていた。

台所の小窓のそばに、
家人が産土様のお札を貼ってくれた。

が、直ぐに剥がれてしまう。

何度貼っても、
剥がれてしまうのだ。

やがて、
私は死にたいと思うようになった。

仕事は順調、家は新築中、
なんで死ななきゃならないんだと思いながら、
毎晩のように”死にたい”と口にしてしまう。

形相の変わった私を見て、
家人は工務店をせっついてくれた。

そして、
予定よりも早く再引越しの日を迎えた。

が、本当に恐ろしいことが起こった、
というか、判ったのは引越し当日だった。

押入れに入れたままだった家電類を運び出した時、
凍りついてしまった。

白い部分が半分、
線を引いたように半分、
日焼けでもしたかのように、
色が変わっていたのだ、

扇風機もストーブも、
電話機さえ色が変わっていた。

お隣りの神社は第六天さまでした。

私は何か無礼を働いてしまっていたのでしょうか。

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