俺が高校生だった頃の話。

俺が通ってた学校は
もっぱら出るって有名なとこ。

まぁ今でも校則は厳しいんだが、
昔は洒落にならないほど厳しかったらしく、
自殺した生徒は二人。

いや三人だったかもしれんが。

一人は体育館で首つり、
一人は近くの店の屋上から飛び降りだった気がする。

当時の先輩の話じゃ

「人が美術室に入ってったはずなのに鍵があいてない」

とかよくあったらしい。

特に出る場所ってのが確か一年三組。

屋上は解放されてないし誰もいないはずなのに、
天井からドンドン聞こえるんだと。

明らかに人が叩いてるんだろってくらい大きな音で。

まぁそれは兎も角、
俺が体験した話ってのがちゃんとあって。

多分高1の夏?

文化祭の準備やらで残っていろいろやってたら、
いつの間にか六時になってたんだ。

で、流石にもう帰ろうってなったんだが、
友人のうち一人(仮にFにする)が
「うんこしたい」とか言い出して、
仕方ないからつれション付き合ってやることにした。

当時その場にいたのは、
俺とFと、あと二人。

便所は一階の便所を使うことにした。

本当にもう帰るつもりだったからな。

その向かう途中なんだが、
二階の階段の横に書道部室がある。

書道部室の扉には窓がついているんだが、
その窓には五人映ってたんだ。

そのときは誰か一人残ってたのかと思って、

「追い抜いてもいいぜ」

って意味で
俺は少し右に退いた。

同じようにF達も自然と横に退いたんだが、
何でかその影が俺らを追い抜かない。

不自然に思って、
階段に曲がる前に後ろを振り返ってみた。

けど誰もいなかった。

あれ?とか思いながら立ち止ったら、
F達も不思議そうに立ち止って振り向いた。

で、みんなして口そろえて、

「さっき後ろに誰かいたよな?」

って言うんだ。

皆にも見えてたのに、いなかった。

俺一人だったら気のせいで済んだんだが。

勿論その時間、
書道部室には誰もいなかったらしい。

ちょっとぞっとしたから、
さっさと便所行って帰ろうぜってなって、
皆して便所に向かった。

でもどういうわけか、
俺は便所に入らなかった。

普通そういうときって
怖いから皆固まってるはずなんだがな。

ゲームだったら確実に死亡フラグだ。

俺一人、
くもりガラス(で合ってる?)の横で壁に凭れかかって、
鏡をぼんやり眺めてた。

そこで、誰かの足音が聞こえたんだ。

なんか走ってるみたいだった。

ふと横を見てみたら、
くもりガラスに真っ黒な人影が映ってた。

くもりガラスを通り過ぎた瞬間、
その影が消えた。

俺はビビって
すぐに便所に入って友人達にその話をした。

友人たちもビビって
すぐ便所から出て学校から出た。

その後から、
俺の家で結構おかしなことが頻繁に起こるようになった。

テレビが急に消えたりだとか
閉めたはずの風呂のフタが少しあいてたりとか。

で、Fにそのこと相談したんだが、
詳しい話をもう一回聞かせろとか言うから
素直に言ったんだ。

そしたら、Fは暫く黙って、

「それってありえなくね?」

とか言い出した。

「だってくもりガラスって人の肌とか服の色は映すじゃん。
真っ黒っておかしいだろ」

なんか思い出したら怖くなってきた

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