その時の状況をリアルに表現するために
各人の会話を盛り込んでますので、
少し小説っぽいかもしれませんがご了承ください。

オレが高校2年生の時のことです。

掲示板である心霊スポットを発見しました。

そこの場所でさらに検索してみるとなんと地元だったんです。

Yahooで地図をプリントし、
クラスの友達4人(A、B、C、D)を誘って
計5人で心霊スポットに行ってみることにしました。

そこへは自転車で1時間くらいで、
着いた時は少々疲れましたが、
その心霊スポットの不気味さのせいか
疲れなんてまったく感じませんでした。

そこは木造の古い旅館(?)でかなりボロボロでした。

しかしいざ入ってみると大したことなく
何も出ないし聞こえなかったです。

全くつまらなくて写真を撮ったり、
落ちているビデオテープやCDを拾ったり、
カセットを録音したりして帰路につきました。

帰りは

「つまらなかった!!」

とオレはみんなからバッシングをうけながら
帰ることになりました。

そして次の週、Aの家に、
撮った写真やビデオを見たり、
カセットやCDを聴いたりするために集まりました。

写真は普通でしたし、
CDも傷つきまくりで全然再生できません。

録ったテープもオレたちの話し声ばかり。

本当につまらなかったです。

最後はビデオテープ。

みんな心霊スポットに落ちていたテープということで
かなり期待しています。

Aがビデオデッキの再生ボタンを押します。

「………………………」

真っ暗な画面からは何も聞こえません。

そしていきなりマンションが映しだされました。

D「んっ!?」

オレ「どっかで見たなぁ」

A「オレのマンションやないか!!」

C「お前馬鹿か!(笑)似たマンションなんていくらでもあるやろ。」

画面ではビデオカメラを持った人物がマンションの玄関に入り、
呼び出しインターホンの号室番号を押します。

3…0……2…………

A「オレの号室やないかぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

Aが叫んだその時。

ピ━ンポ━━━━ン。

インターホンが鳴ります。

みんなは脅えた顔で見合わせました。

B「お前出ろよ」

A「お前が出ろよ!」

D「ジャンケンで……」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんなこと言っていると、
画面の中の人物の前の自動ドアが開きます。

誰かがマンション内から出てきたのです。

管理人でした。

しかし管理人は人物のほうを見ることなく
マンション外にいきます。

C「………マンションの中に入ってきたぞ………」

B「ヤバイって……」

D「A!!鍵しめろ!」

画面の中の人物はエレベータで3階にやってきます。

その時Cが言いました

C「こ…これビデオだろ?
今の出来事が放送されてるわけねぇぢゃん(笑)」

しかしオレはあることに気付きました。

オレ「でも…日付が…」

オレが言うとみんなの視線が画面右下の日付のところを向きます。

みんなはいっせいに自分の携帯を開き時刻を確認します……

・・・・・・・今日です。

しかも今現在のことです。

A「ギャアァぁぁぁぁぁぁあ!」

B「ワァァ!」

C「なんだよこれ先週拾ったやつだろォ!」

D「警察呼べよ!」

オレ「夢だよなぁ……」

オレたちは泣きながら抱き合っていました。

本当にあの時は怖かったです。

そんなオレたちのことにはお構い無しに
画面の中の人物は3階でエレベータから降り
302号室に向かって歩いてきます。

そして302号室の前で止まります……

ピ━ンポ━━━━━ン、ピ━ンポ━━━ン、2回鳴ります。


ここまで確実にきていました。

D「…来ちゃったよ…………」

Dが言うと、
みんなどうする?と言わんばかりに顔を見合わせます。

C「とりあえず、偶然かもしんないし、玄関まで言って確認しようぜ」

そう言うとみんな立ち上がり玄関まで行きます。

……………1分くらい何も出来ずに
玄関の前で立ち尽くす時間が過ぎました。

その間はテレビ画面は見れていません。

そしてまた

ピ━ンポ━━━━━ン、ピ━ンポ━━━━━ン。

みんなもう泣くだけで何も言いません。

また沈黙が10秒くらい続きます。

A「っふ(笑)意外と親かもしんない。」

脅えて泣いている自分を
無理矢理抑え込んで作ったAの笑顔が印象的でした。

そしてAが一歩踏み出しドアスコープを覗きます。

…………………………また沈黙が10秒くらい流れます。

Aの表情はかわりません。

ただドアスコープを無表情で覗きこんでいます。

そしていきなり表情が凍りつきました。

横から見ていたオレが感じるにかなりの恐怖の表情でした。

「…そっ…そういうわけだったんね」

そういうとAは部屋に戻りました。

他のみんなは唖然としています。

C「なっ何がだよ!」

B「えっ誰やったん?」

D「親なん?」

みんなが聞いてもAは無視でした。

Aは再び玄関に戻って来ました。

手にはビデオテープがあります。

どうやら停止して取り出したようです。

A「みんな帰ってよ。」

みんな状況が未だにのみこめません。

そんなオレらを無理矢理押して
Aは帰らせようとさせました。

Aがドアを開けると誰もいません。

C「誰だったんだよ!」

A「知らないほうがえぇ。」

オレは『くねくね』のワンフレーズ思い出しましたのを覚えています。

Aはそう言うと
まるで邪魔と言わんばかりに俺たちを家から追い出しました。

オレらは無理矢理追い出されると、
沈黙しエレベータに乗り、帰りました。

B「・・・なんだんだよ・・」

C「いみわかんね・・」

みんな家に帰ってAにメールや電話はしましたが
全く連絡がつきませんでした。

Aはずっと学校に来ませんでした。

Aの家に行ったりしましたが、
母親が出てきて

「体調は悪いので今日は帰ってちょうだい」

の一点張りでした。

そしてAは3週間くらいしてどこかへ転校しました。

担任に聞くと

「家庭の事情だから・・・」

としか答えてくれませんでした。

それから1ヶ月くらいして
Bが学校に例の件の写真とカセットを持ってきました。

C「なんにもなかったやんか」

D「正直もう思い出したくないねんけど」

オレもDと同意見でした。

もうあんなことは思い出したくありません。

B「変なこと気付いたんよ…オレだけじゃ理解できんわ…」

そういうとBはカセットテープを
カセットテープウォークマンで再生しました。

しばらく聞いていると……

C「普通のテープやんけ」

B「気づかんの!?この声誰よ!」

テープにはオレたち5人とは別に
全く知らない人の話声が入っています。

みんな気付かないわけです。

全然幽霊やお化けって感じじゃないんです。

普通の人間の声でした。

それに極々普通にオレたちの会話の輪に入っています。

まるで6人で行って一人存在を忘れているかのようでした。

しかし男か女かは判別できない声でした。

オレ「……誰だよコイツ」

D「誰かの声が裏返っているんじゃね?」

B「でも明らかにオレたちの声じゃないヤツがいるだろ」

C「怖いこと言うなよ!」

B「まぁテープはいいから写真見て。」

そう言うとBはあの日撮った
20数枚の写真のうちの7枚くらいを出しました。

その7枚は5人が脅えた顔で写ってる写真でした。

D「普通のみんなの写真じゃねぇかよ。
何も変な手や変なモヤ、顔何て写ってねぇぞ(笑)」

C「なんかおかしいのか?」

B「その"みんなの写真"ってのがおかしいんだよ!
なんで5人みんな写ってるんだよ!」

オレは正直かなりビビりました。

その写真は
オレ、A、D、B、Cの順で廊下を歩いている写真です。

AとCの脅えた横顔が伺えます。

……………………………………

それから3分くらい
4人は写真を凝視したまま固まっていました。

D「あっ…あれだろ?
タイマーで写真とるやつだろォ?ビビらせんなよ!」

B「これインスタントだからそんな機能ねぇよ!」

C「だっ誰だよ!写真撮ったやつ!AとBだろ!?」

B「あぁオレとAだよ。
でもオレはこんなアングルの写真撮ってねぇ。
だいたいオレもAもこの写真に写ってんじゃねぇか。
誰かオレら5人以外誰かがシャッター切ったとしか思えねえよ!」

D「あれじゃね?輪ゴムでインスタントカメラに
タイマー機能みたいのつけるのあったじゃん!」

B「あるけど、それ何処にどうやって仕掛けるんだよ!
みんな動いてたんたぞ。
タイマー機能でぴったりみんな収めて撮れるわけないだろ。
だいたいこんなアングル撮れるような高い位置のカメラ置ける場所なんてあったか?
カメラが宙に浮いていたとでも言うのか?明らかに誰かが撮っただろ。」

……………それから誰も何も言わずでした。

学校の帰りに空き地で写真とテープを燃やし、
それからオレらは遊んでもいませんし、話してもいません。

彼らがどういう進路にしたかもわかりません。

あとあのビデオとCDはAが持っていましたので行方はわかりません。

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