高校時代の話
私の母は昔から体が弱くて、
それが理由かは知らないが、
母の作る弁当はお世辞にも華やかとは言えない
質素で見映えの悪い物ばかりだった。
友達に見られるのが恥ずかしくて、
毎日食堂へ行き、お弁当はゴミ箱へ捨てていた。
ある朝母が嬉しそうに
「今日は〇〇の大好きな海老入れといたよ」
と私に言ってきた。
私は生返事でそのまま高校へ行き、
こっそり中身を確認した。
すると確に海老が入っていたが
殻剥きもめちゃくちゃだし
彩りも悪いし、とても食べられなかった。
家に帰ると母は私に
「今日の弁当美味しかった?」
としつこく尋ねてきた。
私はその時イライラしていたし、
いつもの母の弁当に対する鬱憤も溜っていたので
「うるさいな!あんな汚い弁当捨てたよ!
もう作らなくていいから」
とついきつく言ってしまった。
母は悲しそうに
「気付かなくてごめんね…」
と言いそれから弁当を作らなくなった。
それから半年後、母は死んだ。
私の知らない病気だった。
母の遺品を整理していたら、日記が出てきた。
中を見ると弁当のことばかり書いていた。
「手の震えが止まらず上手く卵が焼けない」
日記はあの日で終わっていた。
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コメント
コメント一覧 (44)
子供の時は母親は料理上手で美味い美味いと食べてたんだが
大して美味くなかったとゆう事に気付いてしまった…。
あっそ、分かった。しか思わないし、手震えながら弁当つくらねぇよ。面倒くさいことから解放されてラッキーだよ。
創作乙。
ま、「親」って、なんでそういう存在なんだろうな?なんか、甲斐がない、そんな存在。自分が死んでから息子に反省されてもな。反省しない子供よりはましだけど。その反省を、自分の子育てに活かそうぜ。ありがたみを、押し売りしないまでも気付かせる、みたいなノリで。
作者は、ちゃんと供養して悔い改めなさい!
これじゃ嫌な気分になっただけだ
切ねぇーよ…
怖い話違うんだな。
母親も主も自分勝手にほどがあるんだな。
いつまでたってもそれができない私。
外では大概のことは許容してしまう私も、家ではつい細かく厳しくなってしまう。
自分を抑えることをせずに近くにいる者を傷付けてしまう。
これも一種の甘えなんだろうなとは思う。
そう、未だ思うだけ。
怪談を読んでいたはずなのに???
とにかく猛省!
‥と思ったら関係あったけど、お母さんは自分で、料理がうまくできてないの自覚してたんじゃないか。
それで、我が子ができの悪い弁当を毎日完食してくれて喜んでたなら、これはヤバイお母さんだよ。少なくとも、親子のコミュニケーションが崩壊している。
お母さんのお墓に「すまん!」って一言言って、あとは忘れて幸せになればいいよ。
主人公視点なら、誰かに救ってもらいたくなるような、
取り返しのつかない洒落にならない怖い話だね。
過ぎた事はどうしようもない。
負けろ負けろ ざまあみろ
経済的にも 助かるし 食堂代は どうしてたんだよ?
食べ物粗末にする奴 作ってもらっといて文句言うから 罰が当たるのさ…
何処かで話したかったんだろうね。
お墓の前で手を合わせて お話したら
二人とも救われると思うよ。
母はアナタの笑顔を1番望んでるはず
お弁当の時も今も( ^ω^ )
ほんと後悔先に立たずって、大人にならんと言葉の意味わからんよね。。
ここまでになる前に、お弁当はもういらない件をさらりと言えれば良かったのに。
友達と食堂行くとか。それ以外は自分で作るとか。
思春期とはいえ、母親の病気を知ってたならなおさら。
お母さんの供養を続けてあげてください…
病気は知らなかったね。体が弱いと知ってたならなおさら。
よく震える手で書かれてますよ。
卵焼きが上手く出来なくて日記を書けても
不思議ではないです。
一段目、太巻き寿司。
二段目、太巻き寿司。
一段目、たこ焼。
二段目、たこ焼。
なんてゆう、超個性的弁当だったが毎回完食。母がいつも体調悪いのわかってたから、どんな弁当でも残すなんて、母が可哀想で。
まぁ、自分で作れやって話なんだけど。
おかず入れ忘れたときあったらしくて、白米だけのときはさすがに残しましたが
こちらの投稿の文末には更に以下の続きがあり、涙が止まらなかったものです。
_________
後悔で涙がこぼれた。
お母さん かあちゃん カーチャン…
筆者が書きたかった事は、病気をおしてお弁当を作ってくれていた母に対し思いやれなかった自分の懺悔なんだと思いました。
悔やんでいるなら、他者を思う事が出来る優しい人になって下さいね。
焼きそば焼きうどん炒飯、まぜまぜしたら出来上がるし、便利な冷凍食品も種類が豊富。海老だって剥き海老を売ってるがな。
ただし自分の死期をうっすら感じとって弁当を作っていた可能性もある。
それなら命を削って作っていたのもあり。
またしてもどうでもいい突っ込みするへそ吉
心底頭悪いと思う
頭悪いんじゃなくてアスペだからね、しょうがないね
だからお前は嫌われるんや!
以下の会話でAはへそ吉に怒っています。なぜ怒っているのでしょうか?
A「昨日お母さんが倒れて病院行ったの、そしたら末期の癌だって・・・うううう」
へそ吉「それは大変だ。でも変ですよね、お母さん倒れたのに病院に行けたのですか?病院に連れていったというのが正解では?」
A「・・・」
頭が悪いのかな??へそ吉同様に
自分も嘗て、母親の作ってくれた弁当を見栄えが悪いと思って食べずに捨てた馬鹿野郎なんだが…
今は母親の作ってくれた料理が食いたくても食えないのが悲しい。
死んだ母親を思い出して、少し泣けた。
あんな奴は無視無理
洒落怖何だから何が怖いのか探せよ
イイハナシダナーじゃねぇよ
へそ吉の見方が正しいわ
愛知県の田舎の方か?
名宝って 愛知県だけだから
自分の事のように心が痛む。
この時のメインは海老だろ。海老が上手く焼けないならわかるが、何故に玉子にしたのかな
いや、失敗してるの海老だからって突っ込んでしまうよ。
大体、玉子焼き入ってたのかよ。
母親は、余命宣告をされていたのかもしれません。
心配されまいと息子には伝えていなかったのかもしれません。
死ぬのはわかっていても、“母”として最後まで愛情を伝えてやりたい
母親としての役割を果たしたいっという気持ちでお弁当を作っていたのかもしれません。
そう考えると感慨深いです。
闘病で筋肉が衰え上手く動かせなくなった?
それでも、愛情を伝えたかった
創作だとしても、、母の愛を感じました。