私の親の家には、「私の人形」がある。

私の叔父には人形師の友達がいて、
私が3歳の時の写真を元にして
それをこしらえてもらったそうだ。

ちなみに、雛人形も全部私である。

まあ、それはさておき。

問題は、最初に作ってもらった人形である。

普通の市松人形で、所謂ロンゲのおかっぱ。

当時(幼稚園)の私はベリーショート。

で、デブだったので人形も伏せ目で作ってもらった(らしい)。

故に瞳は入れなかったそうだ。

それから十数年。私は高校生となり、
親から髪を伸ばす事をやっと許された。

数年後、気づくとその人形と同じ髪型になっていた。

ある年末の大掃除の日、人形も掃除してやろうと、
手にとったのだが、

人 形 と 目 が 合 っ た

思わず人形を取り落としそうになった。

瞳は入れてないはずなのに、何故?

これが不思議なことの始まりだった。

それからしばらくして、妙な事に気づいた。

人形の髪が伸びてる…?

背中でぷっつり切り揃えている筈の後ろ髪が不揃いなのだ。

この時は、

「まあ、湿気で伸びたのだろう」

とか

「古いから、何本か抜けて不揃いに見えるだけなのだろう」

で済んだのだが、
私が美容院に行った次の日、
人形の髪は、きっちり腰までで綺麗に切り揃えられていた。

以来、これは続いている。私は腰までの長髪で、
半年に1度しか美容院には行かないのだが、親はその人形を見て、

「あ~**(私の名)は先週美容院に行ったようだね~」

とか言っているそうだ。

それが常に当たっている所が怖いのだが。

あ、落ちですか?

ありますよ。

一番怖い話。

ほんの数年前知ったのだけど、

「叔父の知り合いの人形師」

というのが、本当は

「叔父の愛人が人形師」

だったってこと。

…やはり恨みが篭っていると思います?

この「私の」人形。

親が亡くなったら私が引き取らないといけないんだろうけど…
(雛人形込み16体)

ちょっと怖いです。

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