東京の練馬で
1ルームのアパートで生活していた時の事。

前の会社を辞める時に住んでた住まいが、
会社が借りてくれていたアパートでした。

上司と喧嘩をして辞める事になった為、
急遽、無職で借りれるところを探さないといけませんでした。

やはり無理めな条件でお金も無かったので、
あるところに入り込むしか無いと思い、

池袋の不動産に行ってみると、
ワンルームでロフト付きのアパートがすんなりありました。

内見もしたのですが、
昼間でも日光が入らない部屋という事。

ま、いいだろう。
すぐ出ればいいんだし。
と入居決定。

引っ越しも無事に終え、
新しい職もみつかり、
平凡な生活が続くはずでした。

なぜか、ネガティブな事が続くのです。

仕事もやりたがってた職種なはずが、
どうにもやる気がでず自主退社。

その当時付き合ってた彼女の態度が急変し、
別れる事に。

3ヶ月間ニートな生活をしだしました。

とにかくなんにもやる気がせず、
オンラインゲームを延々と続け、
ベッドの上から降りるのはタバコと食料を買いにいくだけ。

やがて部屋は、
足の踏み場もない状態に。

寝る時はベッドの上にあるゴミやらをがーっとのけて、
スペースを作って寝る。

こんな生活をしていた時の事でした。

夜寝ていると耳の横で、

『クスクス』
『クスクス』

と音がするのです。

は!Gか?と思ったのですが、
そのまま放置。

そのまま数日間様子をみていたら、
それが子供の笑い声だと気づきました。

あー生活が乱れると、
こういう現象も感じやすくなるのかと、
笑い声なので放置していました。

するとある日、笑い声が消え、
泣き声に変わったんです。

すすり泣くような。

え?なに?泣き声はやばくねえか?
と思ったのですが、相変わらず放置。

その頃からです。

隣の部屋から夜中に叫び声が聞こえ、
なんじゃあと思っていました。

珍しく表に出ると、
隣の住人が引っ越し、
また反対隣の住人も引っ越し、
あれ?これなんか起きてるのか?
と少しは考えるようになりました。

夜中の泣き声は、
疲れて熟睡してたせいもあってか、
まれに聞くようになり、
お約束の軽いラップ音も、
鳴りだすようになってきたのです。

更に、日光の入らない出窓の向こうは、
意味不明な砂利の庭があり、
夜中の2時くらいになると、
その砂利道を歩く音がするようになったのです。

決まって2時。

隣に引っ越してきた住人にその事を訪ねてみると、

「ああ、それなんなんでしょうね。
2時に歩いてますよね。誰か」

そして、その2時の足音の正体をつかまえるチャンスがきたのです。

2時になり足音が!

即座にベッドから抜け出て、表へ。

じゃり道には入り口しかない。

つきあたりには別アパートの壁でどんつきだ!

じゃり道にライトを当てる!

奥のほうに人影!

こいつかああと壁に隠れ、タバコを吸い、
そいつが出てくるのを待つ。

30分が過ぎ、
辛抱がつき、じゃり道に突入。

そんなに長いじゃり道ではなく、
住宅街でそのじゃり道は囲まれている為、
反撃されたらそれなりのダメージを受ける事を考えつつ、
じゃり道を歩く。

誰もいない。

行った事のないどんつきまで行ってみる。

壁だ。

その次の日は警察を呼んでみたが、誰もおらず、
警戒して巡回してみますで終了。

その日を境に、
それまで実被害がなかったので
放置してた霊的現象がエスカレートしていく。

新しい就職先をみつけ、
仕事も始まったある日、
放置してたラップ音がでかい。

最初は「パキ」くらいだったものが、「バキン」。

昔からこんな音はくさるほど聞いていたが、
「バキン」はねえな!

こりゃなんだと。

放置。

眠いしね。

明日仕事だし…。

「ガキィイイイン」

なんじゃ!こりゃ!

固い鉄同士がぶつかり合うような音!!!!

さすがに目を開けた!

『おまえ、なんでここにいるんじゃ?』

あ、誰かいる。

このうるさい音のおかげで寝不足になってたので、
怒り爆発。

「おめええええかあああ!
こらあああああああああああああ」

罵声を浴びせる俺。

ぼんやりと男がベットの上に立って、
寝ている俺に顔を近づけているのがわかる。

夢なのか現実なのか、
確認する時間がたった。

現実だ、これ。

「この家は俺が金だして借りてるんだ!
出てくのはてめえだろうがあ、こらああ」

と俺。

すると、

『ここは俺が前から住んでるんだ!
誰に断って寝てるんだ!殺すぞ!』

え?普通だ。
会話ができる。

ちょっと冷静になり話をする俺。

まずは体制を整えないとと座ってみる。

幸い、他の家でもこういった現象は経験があるので、
免疫がないわけじゃあない。

俺はなぜか、こう考えた。

とりあえず収集つけて寝ないと、
明日しんどいなあ…
とタバコに火をつけ、会話を続ける。

「あー、つまり、
ここはお前さんが以前から住んでいた家ってことか?」

すると、

『ああ、ここは俺の家だ。
おまえらは一体なんだ?
挨拶もなしに勝手に生活しだしやがって!でてけ!』

「いや、でてけって言われても。
お前、もう生きてないのわかってんの?」

『とっくにわかってんだよ!
ここは前から俺の家だ!殺すぞ!』

「あー。無理。金ねーし。
まあ、これまでの事の原因はわかったから、
今日は寝るわ」

と、その日は寝た。

なんか怒鳴ってたが、寝た。

会社行って考える。

俺、話の最中で寝てたな。

『殺す』と言ってたんだし、
もしかして手はだせないのか?

なら対応もできるな。

ヘッドホンをかけて寝る事に。

その日は勝利した。

それが日常となり、
しばらく睡眠は十分にとれていたが、
ある日、カミナリ?思うくらいのまぶしい(?)ものが感じれ、
思わず目を開ける。

寝ている顔の横にやつがいた。

やつは無表情で『出てけ早く出てけ殺すぞ』と連呼。

その頃の俺には生きてたいという希望はなく、
むしろ自己消滅ボタンなんてあったら押してもいいと
友人に豪語(?)してた時期だったので、
ちょっと賭けにでた。

「わかった。殺せ」

『出てけ早く出てけ殺すぞ』

「いいから殺せ」

『出てけ早く出てけ殺すぞ』

「お前、手だせないんだろう」

『出てけ早く出てけ殺すぞ』

理解した。

リアルにいる人種にあてはめた。

酔っぱらいの親父-アルコールって位か。

要望は出すが折衝はない。

ヘッドホン放置を決め込む。

どうやら、
直接なにかの力で呪い殺すとかはできないみたいだった。

しかし、夜にフラッシュ&物音はしんどい。

ストレス攻撃みたいなものか。

そこで、まあこういう事には興味あるし、
ある程度の対処法みたいなものも民間レベルでかじっている。

試してみるか。と。

●盛塩
夜に声のする方向のロフトの階段に1つ。
窓の両端に1つずつ。
寝床を三角で囲むような形で配置。
食塩だと盛れず。
ま、あるだけましだろう…効果無し。

次に粗塩で挑戦。
山がちゃんとできました。
効果あり!
だが3日ほどで叩かれた形跡あり。
うっかり盛り直し忘れると出た。

●格闘技
あまりにも眠く、
声のする方を蹴った事がある。
手応え!と思ったのは自分がかけてた布団でした。
それ以来直接攻撃はなにも。

●明るくする
明かりをつけると消える。
だが、違う場所にトーンを30%ほど落とした感じで見える。

●佐○厄よけ大師のお札
効果なしと思ったら、方角が真逆に貼っていた。
直したら効果あり。
が、なぜかはがれやすい。
窓際の為、湿気がかかってしまうためか。
そういえば、北まくらだった事を思い出した。

●塩水ぶっかけ
壁が濡れた。

●動物の危険察知能力
その当時フェレットを飼っていた。
おとなしく寝るときと、
いくら遊んでやっても寝ないときがあった。
電気消しても大騒ぎ。
ただ、大騒ぎしてると出るというわけでもなかった。

●十字架
効果なし。

●お経のCD
効果があったのだが、CD紛失。

●電気をつけ、無睡眠
FF11をプレイ。
3連休などに試すが出ない。
もっとも、気づいていなかっただけかも。

●新しい彼女の部屋掃除
効果あり。ほとんど出なくなった。
やはり部屋を汚くしていると、
精神もおかしくなるのかと。
あれは幻覚だったのかと落ち着かせるが、
砂利の足音は発生していた。

そして、ついに引越し。

不動産やにこの件を伝えると、

「そういう報告は出ていません」

言わないものだろうか。

この件は実家の家族には言ってあり、
引越しも手伝ってもらったのだけど、
荷物も積み終えた頃、
親父がやつの特徴を

「もしかしてこういうやつか」

と言ってきた。

どういう特徴かは言ってなかったのだが、
まさしくやつの特徴でした。

「え?なんで?」

「いや、『なんかちょっと違うな』って男が引越しですか」

って、にやつきながら言ってきたからさと。

やつは家の中だけでなく、
表にも出れるのか!と、
そこで砂利の足音と結びつけたわけだが。

こんな感じで練馬のアパートは引っ越した。

ま、オチもなくレポみたいな感じでしたが、
読んでくれてどうもです。

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