当時小学生だった私は
近所の駄菓子屋でラムネを買って飲みながら帰っていた。
すると路地の向こうから
小学2年生くらいの男の子が走ってきた。
その時
「なんか見たことあるなー。友達の弟かな?」
と思ったのを覚えている。
その男の子は私の所へトトト・・・と寄ってきて
「お姉ちゃんダメだよ、
早くしないと雨が降ってくるよ」
と言った。
ハッとして上を見ても、
絶対に降らなさそうな感じ。
でもその子は私の服の袖をグイグイ引っ張る。
まあ弟よりも小さいような子を
邪険に扱うわけにはいかないなあと思い、
近くの家の車庫に一緒に避難することに。
その瞬間ポツポツポツ・・・と雨が。
狐の嫁入り(?)というやつか、
晴れ雨が降ってきた。
はあーすげーと素直に感心し
男の子に
「すごいねえーよくわかったねー」
と言った。
男の子はにっこりと微笑む。
雨は暫く続いた。
私たちは適当な話をしながらすごした。
ふと男の子に目をやると、
男の子はラムネの中のビー玉に興味があるようだった。
ビー玉で遊ぶような年でもなかったので
その子にビー玉をあげることに。
そうこうしてるうちに
いつの間にか雨はやんでいた。
おーやんだやんだと思い、
男の子に行こうかと促そうと横に目をやると
どこにもいない、男の子が。
ついさっきまでいたのに
忽然と消えてしまった。
先に行ってしまったのか・・・まあいいか、
と気を取り直し帰路についた。
家の近くまで来た時、
黒い服を着た大人がたくさん出入りする家の前を通った
(多分法事)。
その瞬間頭の中に
サァーッとさっきの男の子の顔が蘇ってきた。
そうだ、あの子・・・
小さい頃よく遊んだ・・・
三年前に交通事故で・・・忘れてた・・・・
子供心に((((゜Д゜;))))となった私は
出来るだけその家を見ないようにそろそろと歩いた。
見たら何か、見てはいけないようなものを
見てしまうような気がして。
でも見てしまった。
というか視界に入ってしまった。
ビー玉が、玄関の前に落ちているのを・・・。
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コメント
コメント一覧 (25)
取り出すのは無理なんじゃね
切ない物語でした。……………
そう言えば、最近、【地域特定型】のアニメが増えてきました。
最後の最後にリアリティが吹っ飛んだ
今のラムネは飲み口が樹脂製のねじ込み式になっていて、ビー玉を簡単に取り出せるのもある。
昔、よく遊んだ子のことを怖いとか筆者は薄情だよ。
雨に濡れるのを防いでくれたのに。
危害を加えられた訳じゃないのに、懐かしむくらいの事があってもいいくらいだ。
少年が成仏できていないのか、なんだか悲しいお話しです。涙
ああ、そう言えばそうですネ。
なんで成仏できてないんだろ?
幽霊が怖いだけではない事の代表作(゜∇^d)!!
お盆や法事の時は里帰り感覚で戻ってきているだけ。
法事って大体十三回忌くらいで終わりにするところ多いけど実際は百回忌まであって、約百年かけて魂の修行をして次に転生するから、それまで彼方と此方をずっと行き来している……って話もある。
なるほど納得デス!