たまーに記憶の空白が訪れる。

正確に言うと、

「気づいたら、いつの間にか数時間経過していた。
そして、ついさっきまで自分が何をしていたのかが判らない」

というヤツなんだけど。

まぁこの程度のことなんかよくある話だし、
仕事中とか車の運転中とかになったことはないので、
大して気に止めていなかった。

とある休日。

ヒマだしゲーセンでもいくべーと、
家を出たところまでは覚えていたんだが、
気が付くと駅近くのスタバでコーヒーすすってた。

で、家を出たのが11時頃、
我に返った時刻が14時半ぐらいだった。

丁度仕事関係でごたごたが続いていた時期でもあったし、

「疲れてんなー、俺」

ぐらいにしか思わなかった。

翌日、会社へ出勤。

同僚の女の子から、

「昨日の昼頃、
駅前のスタバにいたでしょ?」

俺「あー、いたかも」

同僚「一緒にいたお友達結構いい男じゃん。
今度紹介してね~」

俺「は?」

同僚「冗談、冗談。
でもちょっと本気(笑)
長身・ロンゲでユニセックスって、
ちょっと私的にツボだから」

誰それ?長身?ロンゲ?

そんな友人に心当たりは有りません。

俺「声かけてくれれば良かったのに」

同僚「いやー、思い出話で盛り上がってるトコだったから、
邪魔しちゃわるいかと」

詳しく訊くと、どうやら俺とそいつは、
近所の川でザリガニ釣りをしたときのことやら、
駄菓子屋でくじを当てるためにした無駄な努力などについて、
盛り上がっていたらしい。

同僚が嘘をついているとは思えないが(理由がない)、
俺には全くそいつに心当たりはない。

その場はなんとかお茶を濁して終わりにしたのだが、
どうも釈然としない。

で、GW。

連休らしい連休も無かったので、
実家に帰らず街をぶらぶらしていたら、
また3時間ほど記憶が飛んだ。

今度は行きつけのゲームショップに入ったところから、
駅前の噴水で一服していた所までの記憶がない。

数日後、
大学時代からの腐れ縁の友人からの電話。

友人『そーいえばさー。
お前この間の5/5に○○駅前居ただろ?』

俺「居たけど?」

友人『いやー、そん時のお前のツレな、
すらっとした長身でロングヘアだったから、
俺思わず
「Y(俺のこと)のヤツ、
彼女でもできたんかー!」
とかびっくりしちまったけど、
よく見たら男だったから安心しちゃったよ(笑』

俺「……(汗」

風貌等を訊くと、
どうやら先の人物と同一のようだ。

でも、俺には全く心当たりがないんです。

小学校時代のアルバム引っぱり出してきて、
仲の良かった子とかを思い出してみたけど、
該当者が思い当たらない。

お前は誰なんだょぅ。

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