会社の先輩から聞いた話。
彼がさる田舎の町へ出張に行った時、仕事が早く済んだので飲みに繰り出したそうだ。
2軒ほどハシゴしてほろ酔い気分になった彼は、酔い覚ましにぶらぶらと散歩を始めた。
小さな町なので、中心部を少し外れると建物もまばらになり、明かりといえば、ぽつぽつと灯っている街灯と月明かりだけになった。
しかし、普段都会で仕事をしている彼にとってはこうゆう雰囲気も悪くなく、気持ちよく散歩を続けたそうだ。
あても無く歩き回っていると、前方に明かりが見えてきた。
どうやら居酒屋のようだ。
「こんな辺鄙なところに飲み屋があるのか。酔いもさめてきたし、もう一杯いくか。」と、彼は店に向かって歩き出した。
しかし、店に近づくにつれ、なんともいえない妙な気分になってきたという。
店の中では何人かの人影が動いているのが見え、その中には子供もいるようだ。
だが、なんというか活気というものがまるで感じられず、近づけば近づくほど重苦しい気分になってくる。
結局、酒好きの彼には珍しく、その店の手前で引き返し、そのまま宿泊先のホテルに帰ったそうだ。
