もうここ数年はめっきりなくなったんだけど、
当時の俺の家って毎日がお化け屋敷状態って時があった。

大抵は家の風景に溶け込んでて、
一瞬見ただけなら全然違和感を感じないの。

後から思い返してあれっ?
って思う事が多かったかな。

元々家の周りは竹やぶでさ、
今住んでる家が建った直後も周りに他の家なんて建ってなくて、
木とか竹が鬱蒼としていた。

ちょうど家を建てた場所が狸の巣があったとかで、
そんな場所を潰してまったのも関係あるのかな?

何気なく二階のベランダから外を見下ろすと、
少し大きい狸が家をじっと見てた時が何回かあった。

結構色んな物を見たんだけど、
全部話すときりがないので印象的な出来事を書かせてもらいました。

よく遭遇するのが、
家族の姿をしてるけど全く違う者の接触。

風呂に入っていると、
風呂のドア越しに母親が話しかけてきた。

風呂のドアは曇りガラスになっていて、
なんとなく母親がよく着ていた薄い桃色の部屋着を着た影がみえた。

声も勿論母親なんだけど、
何を言ってるか聞き取り難かった。

身体中泡だらけだったし、

「お風呂から出てからにしてくれ」

とドア越しに言った。

そうすると母親の影はすーっと去った。

風呂から上がり、
二階の和室でテレビを見ていた母親に要件を聞くと
キョトンとされた。

先ほどの経緯を説明し、
なんの話だったのか聞くと、
ずっとテレビ見てたし下には行ってないとのことだ。

曇りガラス越しに見た影は母親そのものだったし、
声も母親の声にきこえた。

ちなみに、
母親は家族で1番背が高く170㎝弱程あるので、
おそらく他の家族と見間違えたということもないはず。

他の家族にも確認したが、
俺が入浴中に話しかけた人はいなかったそうだ。

また別の日に、
当時離婚してうちに居候していた従姉妹から聞いた話。

従姉妹が風呂に入ろうと、
二階の居候部屋から一階にある風呂場に行く時、
同じく一階にある台所を横切ろうとしたら、
真っ暗な部屋の大きな食事用のテーブルの上で、
俺が正座をして座っていたそうだ。

従姉妹に対して後ろ向きに座っていた為、
顔は分からなかったそうだ。

そのまま真っ暗な闇を見つめながら、
従姉妹に対して

「うちって四人家族だよな?」

と問うそうだ。

従姉妹はその時は

「そうだ」

と答えた。

そうしたら

「そうか・・・」

と、ぶつぶつと1人でに呟いていたそうだ。

従姉妹は特に怖かったとかそんな印象もなかったそうだが、
部屋に下着を忘れていたのを思い出し、再び二階へ上がった。

そうしたら俺が二階の部屋でゲームをしてるもんだから、

「あれ?あんた今下にいたでしょ?」

と言われた。

もちろん、
その話を聞いてすぐ一階に降りたが何もなかった。

ちなみに、
二階へ行く階段は台所を覗いた従姉妹のすぐ後ろにあるので、
従姉妹を抜かして上に行くことは不可。

というか、俺はそんな事してない。

直接声を聞いたのはこれくらいかな、
あとは、下で父親が煙草吸ってるのに、
二階の和室で障子の張替えをしてる父親の後姿が出たり、
誰もいない二階で足音がぐるぐる回ってたりとか。

全く知らない女の人が階段の曲がり角で顔だけ覗かして、
俺と母親の話をうんうんと相槌しながら聞いてたり、
風呂場のドアに白装束が十字に貼り付いてて、
しかも黒い長髪がでろーんと垂れてたりとかもあった。

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