この3ヶ月で5回目の山行を終えて帰宅すると、
夕餉の最中であった。

リュックを下して風呂かビールか飯か…と考える間もなく、

「いつまでたっても片付かないから、座って食べてしまってちょうだい」

と妻の声。

仕方が無いと椅子に腰を下ろすやいなや、
目の前にドンっとカレーの大盛りが置かれる。

カレーは今日明神で食ったんだがなあ、と言おうとしたら、
食べ終わってTVゲームを再開しようとした息子に向かって、
「いつまで遊んでるつもり?いい加減にしなさい!」
と妻の怒気を含んだ声。

息子は慌てて勉強部屋へ。

うぉ、こ、こいつは、と思っている間に、
妻はテーブルの上の食器や、
まだ一個も食べていないラッキョウの漬物まで片付けて、
布巾でテーブルの上を拭き始める。

俺まだ食ってんのに…。

この大盛りのカレーも、
ジャーと鍋を空にしたかったためらしい。

ぽつねんとカレーを食べる俺に背を向けたまま、
妻は一言も発せず食器を洗い続け、
食器の触れ合う音だけがカチャカチャと響く日曜午後7時。

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