これは俺が老人ホームでボランティアをしてたときの話。
談話室で、ボラ仲間と一緒に、
片付け物とかしながら何故か恐い話大会になってしまい、
ギャーギャー言いながら楽しんでると、
そこへケアの人と一緒に、
車椅子のおじいさんがやってきた。
おじいさんは俺らの話をニコニコして聞いているので、
「なにかおじいちゃんも、
幽霊見たとか、妖怪見たとかありませんか?」
と聞いた。
するとおじいさんは、
「いや、ないねぇ。
でもすごい人なら見たことあるよ」
と…。
なんでも小さい頃、
集団疎開で移動中に民宿のようなところに泊まったらしいんだが、
そこに
『天井を四つんばいで歩く、すごい軽業師』
がいたんだそうだ。
夜、寝ようとして天井を見上げたら、
そこに逆さに四つんばいで張り付く人間がΣ(゚Д゚;)
おじいさんと目が合うと、
彼はスルスルっと別の部屋へ移動してったという。
「すごい軽業師だったね。
すごい技だと思ったね」
とおじいさん。
つか、それ軽業師なのかな本当に…。
つか、軽業師と言いはるおじいさんが素敵だったです。
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