私の通っていた小学校では
「こっくりさん」が流行っていました。

私自身も熱中していて、毎日放課後遅くまで残って、
友達(A子とB子とします)を

「A子が好きなのは誰ですか?」

などと他愛も無い質問をして遊んでいました。

ですが、担任の先生はそれをよく思っておらず、
とうとう学校で「こくりさん」をやることを
禁止されてしまいましたが、
私達は隠れてこっそりと続けていました。

ところが、ある日それを先生に見つかってしまい、
先生は怒って、紙をビリビリに破いて捨ててしまいました。

私達はこっくりさんを中断されたことで何となく怖くなり、
A子の家に集まって再び始めました。

始めに

「途中で続けられなくなってごめんなさい。
怒っていますか?」

と質問すると、10円玉はゆっくりと

「ゆ・る・さ・な・い」

と移動しました。

私たち三人は顔を見合わせました。

三人とも顔が青ざめていました。
 
腕がブルブルと震えて、三人でもう一度

「本当にごめんなさい」
 
「二度とあんなことはしません」

などと口々に言って、

「許してくれますか?」

と聞きました。

しかし、答えはやはり

「ゆ・る・さ・な・い」

でした。

A子は涙声になって、

「ねえ、ウソでしょ?
あんた達、私を怖がらせようとしてるんでしょ?」

と言っていましたが、
勿論私とB子は示し合わせたりはしていません。

私とB子も涙ぐみながら

「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

「どうすれば許してくれますか・・・」

と聞きました。

もう三人とも腕には殆ど力が入っていませんでした。

それでも腕が引っ張られるように動くのです。

すると

「お・ま・え・た・ち・は・ゆ・る・す」

と移動しました。

次の瞬間、10円玉は
突然紙の上から飛び出すように動きました。

その後は、私達が

「ありがとうございました」

「お帰りください」

などと言っても
10円玉は全く反応しませんでした。

翌日登校すると、
私達を愕然とさせる出来事が待っていました。

担任の先生が昨晩、急死したというのです。

原因は心臓発作ではないかと聞きましたが、
詳しいことは教えてもらえませんでした。

先生は、こっくりさんに殺されてしまったのでしょうか。

こっくりさんは私達は許しても、
先生は許さなかったのでしょうか。

今でも分かりません。

ですが、もしそうだとしたら
原因を作ったのは私たちなのです。

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