10年前のクリスマスの夜。
バイトが終わって夜歩いていると、
前から冬なのに薄着な女の子が歩いてくる。
歩いてくるっていってもかなり酔っ払ったみたいで、
ふらーふらーっとあるいてたまにくるっと回ったり。
あークリスマスだから酔っ払ってるのかなと思って見ていると、
顔が見えるくらいの距離になった。
彼女はすごく幸せそうだし、
ものすごいかわいい。
同性からしてもかなりかわいい。
すれ違い様に、
彼女はにこ~っと私に笑いかけた。
思わず私もにこっと笑い返した。
すれ違ってから大丈夫かなと思って振り返った。
その時気づいた。
彼女は空中に浮いていた。
空中に浮いていた彼女は、
そのままふらふら踊るように歩いて
角を曲がっていってしまった。
友達にその話をしたら、
「クリスマスだから天使じゃない?」
って言われたよ。
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それなら、友達の言うとおり天使だったと思おう。
悲しい想像はしないようにしようよ。