初夏が近付くと思い出す話なんだが。
俺が通ってた小学校の裏手に、
小さい神社があったんだ。
(今でもあるけど)

んで、
小三か小四の夏前から終わりにかけて、
ある噂が立った。

『そこの神社には、
コッカさんとかコッケさんだとか言う生き物がいる。
夕方6時以降にその神社で遊んでいると、それが現れる』

ただそれだけ。

そういう話を聞くと、
好奇心旺盛な小学生だから、

「6時まで待ってみようぜ!」

という奴が現れてもおかしくない。

しかし、この時は誰もそんな奴はいなかった。

『怖いから』

とかじゃなく、
何故か近付いては行けない感じ。

別に出会ったからといって、
『殺される』とか『連れていかれる』という
ペナルティがあるわけじゃない。
(実際はどうか分からないが)

なのに6時になると、
神社には誰も近付かなかった。

学校で七不思議を確かめるために、
学校中を徘徊していたような連中でさえも。

先日、
親父と弟と家で飲んでいて、
昔の話になった。

俺の住んでいる地域は、
県の開発モデル地区に指定され、
今は県下随一の発展地域だ。

しかし、
昔は蛙しかいないような場所だった。

そんなことを語る中、
俺はたまたまた件のコッカさんの話をしてみた。

そうしたら親父が、

「その話を知っている」

と言って来た。

親父もこの地域の出で、
昔から60年間ここにいる。

親父の話では、
20年に一度コッカさんが神社に来る。

そして下界を観光するのだと。

コッカさんの話を家族の前でしたことはなかったが、
昔からいる人達はみんな知っているらしい。

コッカさんは神様みたいなもんで、
別になんの害もない。

老人の慰安旅行みたいな感じで、
下界にくるらしい。

ただ、気紛れなので、
いつくるか正確な時期が分からない。
(ただ、夏の間の夜に来るのは分かっている)

そこで神社の守護霊?達が、
その間だけ結界みたいなのを作り、
人間を遠ざけているらしい。

トンデモ話だなと思いながらも少し楽しくなった。

「なるほど。
だからオカルト好きな奴等も近付かなかったのか」

強引ではあるが合点がいった。

あれから恐らく今年で20年。
(記憶が曖昧なので来年かもしれない)

今年の夏もコッカさんが来る。

しかし一つ心配なのは、
今この町にコッカさんが来てガッカリしないだろうか、
ということ。

20年の月日の内に大きく変わってしまったから。

今、従兄弟の子供が我が母校に通っている。

次会った時には、
コッカさんの噂があるかどうかを聞いてみようと思う。

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