ニ十数年前の話。

夕方、田舎の一本道を車で走ってると、
前からシベリアン・ハスキーがトコトコ走ってきた。

その頃、ハスキーは
いわゆる流行りの犬種で多く飼われていたけど、
ハンパない運動量が必要な犬なので、
持て余した飼い主が捨てたり、
犬の方が飼い主に見切りつけて脱走って話がよくあった。

うちの旦那は犬好きで、
呆れるくらいのジョギングマニアなので、
そういうハスキーを過去に二度保護した。

その日のハスキーもきっと同じ境遇だろうと、
即車をUターンさせたが、
数秒前に居たハスキーがどこにも居ない。

田んぼの真ん中の一本道で、
隠れる場所なんてない。

旦那と二人、おかしいねって言いながら
進路戻してしばらく行くと、動物霊園があった。

きっと戻りたい場所がある、
幸せな犬だったんだろうな…

そう思ってちょっとホッとした。

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