その時、従兄弟は急ぎの用事で、
夜中にタクシーを飛ばしてたんだって。

そしたら、
山の中の道で霧に包まれて視界が悪くなり、
少しスピードを落として走っていたのだが、
何度も何度も同じ景色を回っていることに、
従兄弟とタクシーの運転手の両方が気がついたそう。

で、タクシーはとりあえず道の横に車を止めて、

「お客さん、すいませんが、
どうも妙な事になってるようで…
さっきから同じ所を何度も回されるばかりで、
全然出られないんですよ」

とタクシーの運転手が嘆く。

途中に分かれ道らしき物は全く無いので、
タクシーがインチキしてるわけではないと、
従兄弟もわかってたそうです。

で、どうする?って事になって、
タクシーの運転手が、

「こういう時は、
タバコを吸うと魔が払えるって聞いた事があるんで、
一服してもいいですか?」

と言われたので、
従兄弟も納得の上で、
一緒にタバコをくゆらせたんだそうです。

すると、
タバコを吸い終わる頃になって霧が晴れ、
道がハッキリ見えるようになってきた。

「今だ!」

ってんですぐに車を走らせたら、
グルグル巡りから抜け出せたそうです。

タクシーの運転手の話では、
時々そういうことがおこるそうで、
タクシー仲間では、
『魔』はタバコの煙を嫌うと言われており、
タバコを吸わない運転手でも、
タバコを車内に常備してるんだとか。

『魔』ってのは、
よくいう『キツネに化かされた』っていうニュアンスらしいです。

【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事