昔、先輩(男)から聞いた話を思い出した。

忘年会で飲みすぎた先輩の同僚が、
店を出て駅に向かう途中で吐いてしまった。

「うわっ、汚ねえっ!」
と、一緒にいた連中は誰も介抱しなかった。

電柱に寄りかかりながら、
ひとしきり吐いて落ち着いたその人は、

「ありがとう、もう大丈夫。ありがとう、すいません」
と、誰もいない空間に向かってぺこぺこお辞儀してる。

「あれ、今の外人さんどこ行ったの?」
ときょろきょろする吐いた人。

「ダイジョブ?ダイジョブ?って、
俺の背中さすってくれてたんだけど…」

酔っ払っているんだろうと先輩達は笑ったが、
近くの露店のおじさんが
「ああ、またあの人だね」と言って笑った。

何ヶ月か前に近くで亡くなった世話好きの外国人男性の霊が、
酔っ払いを介抱することがよくあるんだそうだ。

背筋を寒くしていいのか、ほんわかしていいのか、
よく分からん話になってしまった。

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