俺が体験した怖い話
俺はカメラ屋で働いてるんだが、
何年か前にフィルムカメラを査定に持ってきた家族がいた。
俺が奥から出てきて査定しながら誰のものか、
いつ買ったものかなどを聞いた。
その家族は質問にうつむきつつも答えてくれた。
わかったことは、
このカメラは昔亡くなったおじいさんの遺品で、
おじいさんが若い頃に買ったものらしい。
まあ年式的にもかなり古かった。
そんでなんかまあ買い取ったと。
その時の家族の顔が妙に安心していたのを覚えてる。
俺はカメラのモルトの交換があったから店長に確認を任せたら、
店長が
「おーい俺君、来てー」
って言うんで行った。
したら店長が言うには、
中にフィルムが入っているらしい。
巻き戻しレバーを少し回したら確かに少し重い。
カウンターもよくみたら29を指しているので、
おそらく36枚撮りフィルムが入ってるんだろう。
俺がじゃあ現像した後
これ持ってきた方に連絡しますかって言って、
とりあえず現像した。
中身は山の写真。
だが、最後の一枚だけなんか白いモヤがかかってる。
だけどレンズにカビもないし膜もおかしくない。
なんでだーって思って
とりあえずプリント、家族に連絡した。
次の日、
早速娘?らしき30歳くらいの女性が訪ねてきた。
俺が
「これなんですが、、、」
って見せると、彼女は
「え、、、」
って絶句して喋らなくなった。
俺が
「えっと、、、
で、これを引き取るか引き取らずに破棄するにしても、
売却主さんの許可が必要なんですね。
それでこちら、どうされます?」
って聞いたら、
「捨ててください!」
って怒鳴られた。
俺が
「ですが、おじいさま最期の写真になりますし、
すごくお上手ですよ。
破棄はもったいないですよ」
って言ったら、
「いいから捨ててって言ってるでしょ!」
って言われたんで、
強引に訳を聞くことにした。
したら
「実は祖父は、、
爺ちゃんはこの山で滑落したんです、、、」
って話した。
俺はすぐ
「申し訳ありません」
って謝った。
それで、
「このカメラも実はその時に持っていたものなんです、、
爺ちゃんはこのカメラを抱えた状態で死んでいました。
おそらく反射的に守ったんでしょうね、、」
って言ってた。
だから傷がついてないんだな、、
って俺はわかった。
だが最後のモヤだけはご遺族も分からないとのこと。
それと、いくらなんでも遺品だとしても綺麗すぎたんだよな、、
なんか霊的なもんだったんだろうか。
真相は不明。
ちなみにそのカメラは、
小学校6年生の男の子が父親と悩んだ末に
入門用として買っていったよ。
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コメント
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特に怖い話じゃないけど家族がやばいな
ある時、伊豆の動物園のプレーリードッグ前後数枚が霜(寒い地域の窓ガラスに這うシダの葉状)に覆われたような不気味な物も写っていてゾッとした。
気持ち悪いながらも新しいフィルムを装填しようとしたらカメラの内部から枯れた葉がポロリ。
残念ながら笑い話にはならない。
枯れ葉があるような場所では蓋を開けたことはないしましてや使いかけフィルムが入ってるのに開けるわけがない。旅の途中で枯れ葉が侵入するタイミングがない。家族で自分以外に触る人はいないのだ。