12月23日。

東京の本社から部長・課長・パシリの俺3人で、
九州の支社に叱咤激励をするために向かった。

羽田から飛行機に乗ったのが、
確か午前10時ちょい過ぎ。

博多空港に着いたのが11時30分位。

空港から地下鉄に乗り、
博多駅に着いたのが11時45分位。

博多駅から会社まで歩いて3分位。

会社に着いてスタッフに迎えられ、
一連の挨拶を終えるとトイレに行きたくなり、
早々とウンチョスを済ましトイレを出ると、
なぜか本社にいる。

ん?は?なんで?白昼夢?

時計を見ると0時15分。

意味が分からなく、
ぼけ~っと見回していたら、
同じ課の女の子が、

「あれ?○○さん今日九州じゃないんですか?」

「あ!やっぱりここ東京だよね~?」

夢じゃない!

急いで携帯で部長に連絡。

「部長、今ですね、
私、トイレに行きましたよね?
トイレを出ましたら、
なぜか本社にいるんです!!!!!!」

部長爆笑~

課長が電話口に出て、

『何言ってるんだ。紙が無いのか?(笑』

「いや、なんと申したらいいのか分からないんですが、
東京にいるんですよ!!!!!」

声のトーンで洒落じゃない事を分かってくれた課長が、
すぐさまトイレを見に行き、俺がいないのを確認して、
一度電話を切る。

本社の社長室に急いで行くように、と言われた。

社長室に震えながら行くと、
社長も目を丸くして

「何が有ったか教えてくれ」

と言われ、
俺は震えながら説明した。

何時の飛行機に乗り、
支社に着いたのが何時でしたと。
トイレから出るとなぜか本社に、と説明すると、
社長爆笑・俺震え止まらず。

社長曰わく、

「人間生きてると不思議な事が有るんだな~
荷物は送って貰えばいいから。
今日の夜予定無いだろう。一緒に飲みに行こう」

と言われ、また震えた。

その晩生まれて初めて銀座に連れて行かれて、
格好のネタにされた。

ちなみに、
今年の新年会の挨拶やらなんやらを一手に引き受けさせられ、
社内では『ワーップさん』とあだ名が付いた。


福岡空港でした、すみません。

平々凡々生きてきた俺の唯一の不思議体験です。

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