戦闘中いつも寝そべって、
足だけを塹壕の外に出している古参兵がいた。

「足負傷くらいで死なないし、
負傷すれば誉傷扱いで内地に帰れる」
と常々言っていた。

ある日、相当な長距離で敵と遭遇し、
小競り合い程度の戦闘があった。

双方戦死者・負傷者もなく、
戦闘が終結しかけたころ、

「もう大丈夫か?」
と古参兵が頭を上げたと、その瞬間、
たった1発の流れ弾が古参兵の頭を撃ち抜いた。

この日の損害は、
この古参兵1人だけだったという。

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