ある島で働いてたAさん。

その日仕事が遅くなり、
海沿いの道で車を走らせていた。

外は小雨がパラパラと降り、
海は黒くうねっていた。

しばらく走っていると、
目の前に光が。

どうやら工事をしているらしい。

「まいったな。
家に帰るにはこの道が一番近いのに・・」

と思って、
工事をしている作業員に、
あとどれぐらいかかるか聞いてみた。

すると、後少しで終わるとの事。

どうやら、
この小雨で作業が長引いたらしい。

「なら待っているか」

と思い、
車の中で待っていた。

しかし段々と暇になってきて、
小雨もやんだようなので、
風にでも当たるかと車から出た。

しばらくしてタバコを吸い始めると、
近くで休んでいた作業員が話をしているのが耳に入ってきた。

作業員A「なぁ、知ってるか。
この道路のすぐ上にある岬、いわくつきらしいぜ」

作業員B「どんな?」

作業員A「なんでも七人岬っていって、
昔この島に流れ着いた七人の坊主がいて、
村に食べ物が欲しいと、物乞いにいったんだって。

けど昔のこの村はよそ者に厳しくて、
さらにその年はまれに見る凶作で、
どこにいっても断られたらしい。

で、飢え死にしそうな坊主達はこの村を恨みながら、
ここの岬で死んでいったらしい」

作業員B「へー」

作業員A「それだけじゃないんだ。
その後村では謎の奇病が流行って、かなりの人が死んだらしい。
で、供養塔を建ててからは、ぱったりとなくなったんだってよ。
で、それからは、七人の坊主の悪口をいうと、
良くない事が起きるらしい」

作業員B「んな馬鹿な」

作業員A「ホントだって。
昔その話を聞いたお侍さんが、ためしに岬にいって、
悪口を言ってみたんだって。
そしたらその帰りに、乗っていた馬が急に暴れ出して、
落馬して死んだらしい。

他にも車に轢かれたとか、自殺したとか、
いろいろあったんだってよ」

作業員C「本当かよ?」

作業員B「迷信だよ。迷信。なんなら試してみようぜ」

作業員A「やめとけって」

作業員B「大丈夫だって。
よーしいくぞ。七人坊主のバーカ!」

作業員C「よし、俺も。
七人坊主のあほー!ハゲー!あはは」

作業員B「もっと言ってやれ。バーカ!」

・・・

作業員B「ほらな。何も起こらない」

作業員A「ホントだ。俺も言ってみようかな。
七人坊主のくそったれ!」

A,B,C「あはははは!」

作業員C「そろそろ作業に戻るか」

そういって、
彼らは持ち場に戻っていった。

「今の話本当かな」

と、心の中でAさんは思っていた。

数分後、
作業はほぼ終わりかけていた。

そろそろかなと思い、
車に戻りドアを閉めた次の瞬間、
ドドドォーという音と共に、右側の崖が崩れてきた。

あっという間に土砂は工事現場のほとんどを埋め、
車の屋根に石がコツコツと当たる音と、
作業員達の叫び声が聞こえてきた。

ギリギリの所で、
Aさんの乗っていた車は助かった。

しばらく呆然としていたAさんだが、
すぐに携帯電話を取り出すと、
救急車と警察を呼んだ。

数時間後、
Aさんは警察で事情聴取を受けていた。

警察の車に乗せてもらって、
ここまできたのだ。

警官「ご協力ありがとうございました」

A「はぁ・・」

何故だかはわからないが、
Aさんは警官に聞いてみた。

「どのくらいの方が被害に遭われたんですか?」

すると警官はこう言った。

「怪我人はでていないんですが、死者が7人」

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