じいさんから聞いた話。
戦友の体験談だそうな。
戦争に行った時、
怪我をして寝ていたら何か声がする。
『何かしてやろうか、何か願いないか』
なら故郷の家族に腹一杯メシ食わせたい、
元気に生きてほしい、
そんなら俺は一生空腹でも今死んでもいい、
とお願いしたと。
声は『分かった』とだけ言って消えた。
戦争終わって帰ったら、
嫁さん子供も親たちも兄弟姉妹みんな元気だし、
腹も減らした様子がない。
案外本土も豊かに暮らせてたのかと安心したが違うらしい。
夜中に台所から音がしたから行ったら、
米や野菜が投げ込まれていたり、
朝、玄関先にまだピチピチしてる魚や果物が置かれていたりした。
空襲もなかったし、
みんな風邪一つ引かずに終戦を迎えられた。
それを聞いた戦友は神棚を拝み倒し、
とにかく約束を守ろうと
腹一杯メシを食わない事を家族にも誓った。
あれからかなり経つが、
戦友が亡くなった今も、
彼の遺した家族は事業繁盛でメシに困らず、
ろくに病気もしないと聞いている。
声の正体は不明のままだ。
悪いものではないが不思議という事でひとつ。
【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事
コメント
コメント一覧 (7)
そんな戦友さんも、今では、仏様に。
戦友さんの御身内が、戦友さんの御供養をシッカリなさって下さっていますように...。
その存在は我が身を省みずに家族の幸せを願った戦友さんの気持ちを尊いものと感じたんじゃないかな。
そして、その戦友さんは少食生活を送ったことで、かえって健康的な生活を送れたことだろうと思いたいね。
代償として命をとられたりするけど、
今のところはそれはない見たいね。
腹八分で医者要らず
ちゃんと約束を守っているのがえらい
私にはまねできない