中学生の頃、友人が

「やばいもれそう。そこの先生用のトイレ行ってくる」

と言って入ってしまった。

先生用のトイレに生徒は入れないお約束だったので、
チキンな自分は外で待っている事にした。

驚かそうと、
柱の陰に隠れトイレの様子を伺っていた。

しばらくして友人は戻ってきた。

「わっ!」

なんてやったがノーリアクション。

さらに不機嫌。

「…ああいういたずら、やめてよ」

…ええっ?

「トイレのドアをコンコン叩いたでしょ。
声かけても返事しないし」

チキンな自分は先生用トイレに入ってません。

トイレには誰も入っていきませんでした。

「人が入ってなければドアは開いてんだから、
わざわざノックするなんて絶対あんたのいたずらでしょ。
それに、ドアの隙間から見えたんだから、黒い影。
あんたのカーディガンの色みたいな」

私ではない、と訴えたのですが取り合ってもらえず、
自分ひとり事の不可解さにしばらくガクブルしていました。

でも大人になった最近、
あれは私だったのかも、とも思える。

だってそのとき、
私は本当は中に入って
「コンコン」といたずらしてみたかったのですから。

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