『動物霊って良くないよ、
成仏できてないのが沢山そばにいるよ』
自称見える人Aさん談。

『貴方、複数の犬に守られてる』
自称見える人Bさん談。

あまり面識のない人に突然言われて、
変な宗教とかの勧誘かと思って身構えたけど。

共通してるのは、
私に動物霊が複数くっついているってこと。

確かに私は産まれた時から今まで家に犬がいて、
天寿を全うしてサヨナラした犬たちもいたし、
子どもの頃に犬絡みの不思議体験をきっかけに、
けっこう不思議な経験をしているのだけれど、

自分自身に霊感みたいなものを感じたことがないので、
すべて『気のせい』『見間違い・聞き間違い』で済ませてきた。

半年ほど前、
家族が末期癌告知をされた。

末期癌+肺炎まで起こしてしまって、
長期入院することに。

担当医師から、

「たぶん、あと2週間くらいだと・・思います。
容態が急変してってこともあるので・・・長く見てあと2週間」

なんて言われてしまった。

自宅と病院の往復、
兄弟をはじめとする親族との連絡などなど忙しい最中、
私にも病気の診断がおりた。

『参った、今私が倒れるわけにはいかない。
まだ私は死ねない、せめて両親を看取ってからじゃないと』

心身ともに疲労困憊してるって自覚し始めた頃から始まった。

家の中で犬の体臭みたいなのがする。

我が家の愛犬のおやつが減る。

ハッハッハッハって犬の息遣いが聞こえて、
毛っぽいものが足の甲、手の甲を掠める感触。

『あー。とうとう私、精神的に限界迎えちゃって、
幻覚出てきちゃったりしてるんだ』

と思って、
忙しい合間を縫って精神科へ行った帰りに寄ったコンビニの駐車場で、
自称見えるAさんに上記の言葉を掛けられた。

『え。ナニソレ、気持ち悪いっていうか怖い』

なんて思いつつも話半分に聞いてAさんと別れ、数日後。

役所の駐車場で顔見知りのBさんに

「なんか・・・あった?」

と、声を掛けられて、
やっぱり、ナニソレって思いつつも話を聞いた。

Aさん、Bさん、二人の話で聞いてて、
気分が良かったのは当然Bさんのほうだったので、

『そうか、私は犬たちに守られてるのか、
じゃ、ここら辺にあの子達がいる体で』

と、犬を撫でてやる仕草しながら、
ちょっと願い事言ったりしてみてた。

そしたら、
末期癌+肺炎で死ぬはずだった父は完全復活。

職場復帰して癌が小さくなっている。

私の病状もうそのように落ち着いた。

Aさん、Bさんが本当に見えていたかどうかはわからないし、
犬臭かったり、息遣いが聞こえたり、
尻尾らしき毛の感触も説明がつかないし、

病気が嘘のように良くなったのも、
お医者さんのおかげなんだろうけれど、
本当にあの子たちが私の願いを聞いてくれて、
ひょっとしたら助けてくれたのかな?
なんて思うのもなんだかいい気がしている。

Aさんの話は・・・なるべく忘れようと思っている。

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