自分の中でも割に不可解な過去。

ちなみにオカルトはあまり信じてなくて楽しむ方。

俺が中学生の時の話。

卒業式後の日曜日、
志望校から不合格の通知が来た。

肩を落としながらもとりあえず担任に報告をしに、
夕方に学校へ向かう。

担任に

「残念だったね」

と言われて帰ろうとしたんだけど、
そこでふと卒業証書(黒い筒の奴)を
クラスの机に忘れたのを思い出した。

んでもって鍵を借りて、教室に向かった。

休日で誰も居ない校舎は当然静かで、
廊下が夕日でオレンジ色に染まって、
体育館からは下級生が部活をしてる音が聞こえる。

シチュエーションがモロに青春だなあ、
とか馬鹿な事を考えながら二階の教室の扉の鍵を開けて、
中に入った。

夕暮れの誰も居ない教室は無機質で、
存外に不気味だった。

扉を閉めると体育館からの音も遠ざかり、
一層辺りが静かになる。

整然と並んだ横のフックに何もかかってない机が並んでると、
自分の席がどこか見失ってしまう。

それでも何とか見付けて机の奥の方から証書を引っ張り出した。

んで、顔をあげようとした瞬間、

「バン!!」

って音が教室に鳴り響いた。

当然俺は声をあげてビビる。

何かと思ってキョドりながら辺りを見回すと、
綺麗に掃除された黒板のド真ん中に、手形が付いてた。

チョークの粉を手につけて張り手した跡。

ゾッとして慌てて教室から逃げ出す俺(でもきちんと鍵は閉めた)。

オチらしいオチは特に無い、スマソ。

ただ、その日の帰宅途中にふと思い出したのが、
三年間同じクラスで、三年生の途中に自殺しちゃった、
不登校の女子生徒。

当時でさえ顔もロクに覚えてなかったし、
向こうが俺を知ってたかどうかも怪しい。

卒業アルバムも今となっては行方不明。

もしその子だったとしたら、
卒業したかったのかな――と思いながら自転車こぎつつ思いました。

以上、一応実体験の話です。

自分でまとめながら
「嘘くせえな」と思いましたが。

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